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琴桜と豊昇龍が1敗守るも「優勝を意識してか案の定、硬くなっていた」…元大関・琴風の目

スポーツ報知 / 2024年11月23日 6時35分

豊昇龍(左)がとったりで大の里を破り12勝目、1敗を守る(カメラ・今西 淳)

◆大相撲九州場所 13日目(22日・福岡国際センター)

 大関・琴桜が1敗と首位の座を死守した。1差の2敗で追う東前頭6枚目・隆の勝を上手投げで退け、大関昇進後最多となる12勝目を挙げた。今年の64勝目もマークし、年間最多勝争いでもトップの新大関・大の里に並んだ。豊昇龍は土俵際の驚異的な粘りで、大の里との大関対決をとったりで制して1敗を守った。2敗が消え、優勝争いは千秋楽で琴桜と豊昇龍の直接対決が予想されるため、事実上2大関に絞られた。

 * * * *

 個人的には琴桜と豊昇龍の大関同士の千秋楽決戦を見てみたいが、あと2日はされど2日なのである。何が起こるか分からないのが大相撲の世界。この世界に50年以上、身を置いているが、何度も経験した。優勝を意識してか両大関とも案の定、硬くなっていた。

 豊昇龍は立ち合いの踏み込みは良かった。大の里の馬力に負けて逆転のとったりで白星を重ねたが、最初の当たりがなかったら先場所のように吹っ飛ばされていた。

 琴桜も右を差しながらも顎が上がり、上体が立ってしまった。危ないすくい投げもあった。最後は上手投げでしのいだが、ロボットのような動きだった。

 誰もが千秋楽決戦を期待している。私もそう。大関の優勝は綱取りに直結するからだ。それには14日目をしっかり乗り越えることだ。眠れない夜がドラマをどういう展開にするのか。残り2日は自分との闘いでもある。(元大関・琴風、スポーツ報知評論家)

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