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【神宮大会】意外にも!?甲子園7度優勝の伝統校・広島商が初出場初勝利 スクイズに盗塁“広商野球”で神宮を席捲

スポーツ報知 / 2024年11月23日 5時0分

2回1死三塁、広島商・小田健登のスクイズで徳永啓人が生還(カメラ・岡野 将大)

◆第55回記念明治神宮野球大会第3日 ▽高校の部準々決勝 広島商3―0東海大札幌(22日・神宮)

 高校の部は準々決勝2試合が行われ、甲子園歴代3位タイの春夏通算7度の優勝を誇る広島商(中国)が、東海大札幌(北海道)を破り、初出場初勝利で4強入りを決めた。チームはスクイズに3盗塁と、伝統の小技・機動力を生かした“広商野球”を展開。秋の日本一へ好発進した。東洋大姫路(近畿)も準決勝に進出。大学の部は、大学4冠を狙う青学大(東都大学)と、創価大(関東5連盟第1)が4強に駒を進めた。

 伝統の“広商野球”が初めて神宮を席巻した。初回、5連打に足も絡めて2点を先制すると、投げては徳永啓人(2年)が、8回4安打無失点と好投した。春夏通算45度の甲子園出場を誇りながら、神宮白星は創部125年目にして初。荒谷忠勝監督(48)は「なかなか(神宮に)ご縁がなかったんですけど、こうして選手、OBのおかげで勝てたので、次につなげていければ」とかみしめた。

 真骨頂を見せたのは、追加点を奪った2回。二塁打と犠打でつくった1死三塁から1番・小田健登一塁手(2年)が初球を一塁線へ転がす絶妙なスクイズを決めた。「二塁打の時点で予想していた。確定でバント、バントだと」。小技や機動力は広島商の伝統。投手レベルの上がる今大会では特に重視し、「1死三塁をつくることに目的を置き、スクイズで1点を取る野球」をテーマに臨んだ。

 甲子園球場が会場となった1924年の第10回選手権大会で初優勝を飾った伝統校。元広島の達川光男氏(69)がいた73年のセンバツ準決勝では、“怪物”江川卓氏を擁する作新学院に、重盗で悪送球を誘い逆転勝ちした。同夏の静岡との決勝では、サヨナラスリーバントスクイズで日本一になった。「意識してやっています。今の代も機動力」と小田。投手を相手にしたスクイズ練習を毎日行うなど、伝統を受け継ぐ。

 近年は広陵を筆頭に県内競争が激化。厳しい状況のなか、今秋は中国大会を制して、来春のセンバツ出場が確実となっている。ただ指揮官は常に「自分たちが強いわけではない」とナインを鼓舞してきた。オールドファンをうならせた名門が、再び高校野球を沸かせる。(瀬川 楓花)

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