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世界的スターに頼らず日本人中心補強実った…5大会ぶり天皇杯制覇の神戸、12月1日にも2冠達成の可能性

スポーツ報知 / 2024年11月24日 7時0分

5大会ぶり2度目の優勝を喜ぶ神戸イレブン(カメラ・小林 泰斗)

◆第104回サッカー天皇杯▽決勝 神戸1―0G大阪(23日・国立競技場)

 1953年度以来71大会ぶり、Jリーグ発足の93年度以降では初の関西勢同士による天皇杯決勝は、神戸がG大阪を1―0で退け、5大会ぶり2度目の頂点に立った。0―0の後半19分に神戸FW宮代大聖(24)が先制点を奪い、この1点が決勝点となった。優勝賞金は1億5000万円。神戸は2連覇が懸かるJ1でも首位に立ち、早ければ12月1日にも2冠達成の可能性がある。

 何度も何度もトロフィーを掲げた。今大会6試合で計27人(現在の所属選手30人)を起用し、全員で勝ち取ったクラブ3つ目のタイトル。選手と抱き合い、感謝を伝えた吉田孝行監督(47)は「最高でーす!」と2度声を張り上げ、国立に駆けつけたサポーターを沸かせた。

 今季を体現する決勝ゴールだった。後半19分、GK前川のロングボールを、エリア手前でFW佐々木が倒れながらFW大迫へ。FW武藤につなげ、最後はこぼれ球を走り込んできた24歳FW宮代が流し込んだ。手荒い祝福を受けた若きストライカーは「チームで取れたゴール。みんなに感謝したい。もう一回、タイトルを取りたい思いはあった」と川崎の一員だった前回大会に続く優勝に浸った。

 昨季、J1初制覇を遂げ、今季はJ1、天皇杯、ルヴァン杯、ACLEと4大会に出場。この日が公式戦49試合目だった。過密日程を見越し、力の差がない2チームをつくることに着手した。昨季22得点の大迫、武藤に加えて、「日本のトップにいるチームでやってみたい」と川崎から加入した宮代が厚みをもたらした。リーグ戦では加入1年目で2ケタ得点(10得点)をマークし、大舞台で主役になった。

 イニエスタを擁し、選手年俸など人件費69億2300万円をかけ、19年度大会を初制覇した。ポドルスキら世界的スター選手を獲得するスタイルで頂点に立ったが、安定的な強さは得られず、21年には武藤、大迫らの日本代表を補強するなど、強化の方向性を日本人中心に変えた。23年度は人件費38億円でリーグ初優勝。吉田監督の方針もあり、大物選手に頼らずアカデミー育ちのDF山川、佐々木ら若手の成長を促し、息の長い常勝クラブへの入り口に立った。

 ベテラン、中堅、若手が共存し合う、強いチームとなった。リーグでも首位に立ち、今季2冠も射程圏内。「まだ自分たちがもうひとつタイトルがかかっている。必ずまた神戸にシャーレを持って帰りたい」と吉田監督。2季連続のタイトル獲得で、神戸の歴史に新たな勲章が加わった。(森脇 瑠香)

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