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慶大・清原正吾、引退決断の背景「僕が野球をやることで、家族の絆がグッと固く」父のため…やり遂げた最高の親孝行

スポーツ報知 / 2024年11月25日 5時5分

早慶戦に勝利し、ガッツポーズを見せる清原正吾

 慶大の4番・清原正吾一塁手(4年)が24日、野球競技から引退する意向を表明した。10月24日のドラフト会議では指名がなく、進路を保留。プロ野球通算525本塁打を放った父・和博さん(57)譲りの長打力を評価し、オイシックス、くふうハヤテ、独立リーグ7球団の計9球団から獲得を目指すオファーが届いていたが、堀井哲也監督(62)がこの日の朝、断りの連絡を入れた。就職浪人しての一般就職が有力視されており、バットを置いて新たな未来へと突き進む。

 * * * * *

 4月に行った単独インタビュー。なぜ6年間のブランクを経てもう一度、野球を始めようと考えたのか。そんな私の問いに清原は瞳を輝かせ、言った。

 「親孝行したいなと。父親も事件の件はありましたけど、社会復帰して頑張っていた。両親が一番喜ぶ選択肢を考えた時、もう一度野球をやって結果を残したら、本当に喜ぶだろうと。家族が一度はバラバラになったんですけど、野球がつなげてくれた。僕が野球をやることで、家族の絆がグッと固くなったんです」

 父のため。家族のため。長男の願いは最後の秋、成就した。両親へ「最後の雄姿を目に焼き付けてもらいたい」と臨んだ11月9日の早慶1回戦で、早慶戦初アーチ。客席には満面の笑みを見せる和博さんの姿があった。最高の親孝行だった。

 幼少期から生き馬の目を抜くプロの世界で戦う父の背中を見てきた。正吾はその華やかさを知る反面、厳しさも人一倍知っている。さらに慶大野球部では88年ドラフトで巨人などの1位指名が確実視されながら、三井不動産へと一般就職した志村亮投手の例もあり、プロが人生の全てではないとするカルチャーもある。高い潜在能力を誇るだけに、一抹の寂しさは募るが、22歳の決断に敬意を表したい。(編集委員・加藤 弘士)

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