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田中将大「金額ではない。気持ちの部分」楽天退団決意の胸中明かす「居場所がない」

スポーツ報知 / 2024年11月27日 5時0分

楽天モバイルで会見した田中将。終始厳しい表情で報道陣の質問に答えた(カメラ・小泉 洋樹)

 楽天から自由契約となることが決まった田中将大投手(36)が26日、楽天モバイルで取材に応じ、退団を決断した理由を明かした。減額制限(年俸1億円超は40%)を超える年俸提示を受けた楽天との交渉の中で「もう期待はされていない」「居場所がない」と感じたと説明。「やりがいを感じるところでやりたい」とNPB他球団のオファーを待つ考えを明かした。

 東北に別れを告げることを決めた田中将は終始、硬い表情で思いを語った。「(年俸の)提示を受けた時に『もう期待はされていないんだな』と。求められるところでやるのが自分にとって一番。やりがいを感じられるところでやりたい」。まい夫人らと相談し、自由契約を選択。新天地での再起を図ることを決断した。

 日米通算18年目の今季は1軍でわずか1登板。プロ入り後初めて1勝もできなかった。球団は来季も戦力と判断して、今季の成績を踏まえて2億6000万円から減額制限(1億円超は40%)を超える年俸を提示したが、背番号18は首を縦には振らなかった。

 金額だけの問題ではなかった。「球団と実質1回。15分くらいですかね」。交渉は短時間で終了したという。「(年俸が)下がるのは当然。そこは受け止めて来シーズンもプレーする気持ちではありました。やはり球団からのいろんな部分ですね…。ちょっともう(球団を)出るしかないなと。個人的にはもう…実質、居場所はないんじゃないかって。ものすごく(そう)受け取りました。金額で選択しているわけではない。気持ちの部分で」。言葉を詰まらせながら明かした。

 06年高校生ドラフト1巡目で楽天に入団し、13年には24勝0敗で球団初のリーグ優勝&日本一に貢献した。同年オフにヤンキースに移籍し、21年に年俸9億円で楽天復帰。以降は4年で20勝と苦しい日々を過ごした。「苦しい4年間でしたけども、球団には感謝しかない」とあふれる思いを口にした。

 球団側は再交渉の可能性に言及していたが、田中将は「考えてないも何も、別にそういうお話もないです」と否定し、NPB他球団への移籍を目指す考えを示した。すでにヤクルトが獲得へ向け調査に乗り出す可能性が浮上。「(残り3勝の日米通算)200勝はありますけど、自分の中ではゴールじゃない。もっともっとその先があると思っている」。大きな岐路に立たされた中、11球団からのオファーを待つ。(太田 和樹)

 ◆田中将に聞く

 ―年俸を提示された時の思い。

 「いろいろ『お金だ』なんだって論調も流れてますけど、思い出していただきたいのが、イーグルスに21年に戻ってくる時にそれ以上のオファーを蹴って戻ってきている。上のオファーは事実としてあったので、そこをもう一度思い出していただきたい。とにかく期待かけてもらってやりがいを感じるところでやりたいのが一番です」

 ―新しい球団を探すことについての心境。

 「今後どういうふうになるかは分からない。本当に不安ですけども、ただ自分としてはまだまだやれると思ってます。来年、今年よりももっとできるというふうには思っています」

 ―決断までは結構悩んだ。

 「感情的になるのが一番いけないと思ったので。家族とはやはり一番、特に妻ですね」

 ―例えばアメリカとか。

 「それは分からないですね。どういう状況になるかによる。ただ、現実的にそういうオファーが届くかっていうと、そこからないんじゃないですかね」

 ―楽天とも再交渉も可能だが。

 「なんかバックアップという感じのコメントもされてましたけど、ちょっとこちらも困惑してるところではあります」

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