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対局の舞台・和歌山の印象は藤井聡太竜王「梅干し」、佐々木勇気八段「パンダ」 27日から竜王戦第5局

スポーツ報知 / 2024年11月26日 19時18分

和歌山市での竜王戦第5局を控え、玉津島神社を訪れた藤井聡太竜王(左)と挑戦者・佐々木勇気八段(カメラ・筒井政也)

 将棋・第37期竜王戦七番勝負第5局が27、28日の両日、和歌山市の「和歌山城ホール」で2日制で指される。藤井聡太竜王=名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖と合わせて七冠=と挑戦者・佐々木勇気八段は26日、同所で対局場の検分を入念に行い、前夜祭に出席した。

 検分前には強い雨の中、“絶景の宝庫”と呼ばれる和歌の浦で、不老橋や玉津島神社を見学した。 玉津島神社には平安時代以降、多くの和歌が奉納され、社殿は関ヶ原の戦いの後に紀州に入国した浅野幸長が1606年に再興。その後、紀州藩初段藩主の徳川頼宣が整備したという。

 前夜祭で藤井は「風光明媚(めいび)なところで強く印象に残りました」。佐々木は「雨でも絵になる風景でしたし、和歌の事も教えていただいて、学びが多くありました」と振り返った。

 ともに和歌山は初訪問で、藤井は「梅干しが名物という印象。大阪から(特急)くろしおに乗って来たんですが本当は(終点の)新宮まで行きたかった。それはまたのお楽しみにしたい」と明かし、会場を沸かせた。佐々木は「(アドベンチャーワールドの)パンダの印象があります」と語った。

 シリーズはこれまでの4局すべて先手が勝っており、2021年の竜王戦初Vからの4連覇を狙う藤井が〇●〇●で2勝2敗のタイ。勝った方が王手をかける第5局は、紀州藩5代藩主で徳川幕府8代将軍の吉宗、13代藩主で14代目将軍となった家茂を輩出した和歌山城の前で指される。吉宗は将棋好きで、年に一度の「お城将棋」を開催した11月17日を「将棋の日」に制定したとされ、棋界とは深い縁がある。

 2日制の七番勝負でこれまで連敗したことがない藤井は先手番で突き放したいところ。「第5局から改めて三番勝負の形に。また気持ちを新たに盤上に集中して全力を尽くしたい」と、あいさつした。

 一方、佐々木は「体調はバッチリ」。第4局は角換わり―早繰り銀―腰掛け銀という研究手で完勝しており「花束を渡してもらった少年から『第4局の構想は素晴らしかった』と言われた。そういう将棋がまた指せれば」と連勝での王手に意気込みを見せた。

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