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「志村けんさんの化粧まわしで土俵入りすることが夢」東村山出身の25歳新十両・羽出山が憧れる同郷の「英雄」

スポーツ報知 / 2024年11月28日 5時30分

新十両昇進を決め、ポーズをとる羽出山(カメラ・大西 健太)

 日本相撲協会は27日、福岡市内で大相撲初場所(来年1月12日初日・両国国技館)の番付編成会議を開き、羽出山(はつやま、25)=玉ノ井=の新十両昇進を決めた。福岡・須恵町の玉ノ井部屋宿舎で記者会見に臨んだ羽出山は、東京・東村山市出身。「バカ殿」など同郷で尊敬するタレント・志村けんさん(享年70)の代表的なキャラクターがデザインされた化粧まわしをつけての将来的な土俵入りを熱望した。夢を原動力にまずは2025年の新十両場所から、しこ名を全国区にしていく。再十両は木竜皇(22)=立浪=のみだった。

 待ちに待った関取の座だ。稽古十分の羽出山なら、新十両場所でもだいじょうぶだぁ。東洋大を経て、22年春場所に三段目最下位(100枚目)格付け出しで初土俵を踏んだ。十両昇進までの約2年半には、同世代で同じ学生相撲出身の尊富士(25)=伊勢ケ浜=が幕内優勝を果たし、出世は先を越されたが、節目の会見でも「自分は自分のペースで」と泰然自若を貫いた。

 飛躍を期す25年へ、郷土の英雄が背中を押してくれる。羽出山は東京・東村山市出身。同郷で20年に亡くなったタレントの志村けんさんには「英雄で、東村山の名前を広めてくださった方」と憧れを抱く。入門前には、地元に建立された志村さんの銅像に一礼してからプロの世界に飛び込んだ。玉ノ井部屋には東村山名物の「だいじょうぶだァー饅頭」を持参したほどだ。

 この日、志村さんの家族とも親交があることを明かし、「志村けんさんの(デザインされた)化粧まわしで土俵入りをすることが一つの夢」とビッグプランを披露した。化粧まわしは関取昇進後、主に後援者から贈られる。現実的なタイミングは近い将来の新入幕か。それまでにしこ名を全国に知らしめ、羽出山を応援する輪を広げたい。

 気になる化粧まわしのデザインについては会見後、早速「バカ殿」や「アイーン」など志村さんの代表的なキャラクター、ポーズなど数々の候補が挙がり、「自分では決められない…」と思案を巡らせた。

 活躍の裏には、確かな稽古がある。会見に同席した師匠の玉ノ井親方(元大関・栃東)の教えである四股やすり足の基礎を徹底。秋場所は幕下優勝し、今場所は5勝2敗の好成績を残した。この勢いのまま、「東村山といったら、志村けんさんと羽出山と言われるくらいの存在になりたい」と力強かった。番付を駆け上がり、夢の化粧まわしに近づいていく。(大西 健太)

 ◆羽出山 将(はつやま・しょう)本名同じ。1999年11月5日、東京・東村山市生まれ。25歳。小学6年時から相撲を始め、足立新田高、東洋大を経て玉ノ井部屋に入門。2022年春場所、三段目最下位(100枚目)格付け出しで初土俵。24年秋場所で幕下優勝。得意は突き、押し。本名でもある「羽出山」は全国に約20人ほどしかいない珍しい名字。192センチ、145キロ。

 ◆志村けんと東村山市 志村さんが「8時だョ!全員集合」の人気コーナー「少年少女合唱隊」で「東村山音頭」をアレンジして披露し、「一丁目、一丁目、ワーオ」の歌詞などで東京・東村山市の地名を全国に届けた。ちなみに羽出山の実家も「一丁目」だという。76年には同市の木であるけやき3本を「志村けんの木」として市が植樹。20年3月の新型コロナによる志村さんの死後、21年6月には定番ギャグ「アイーン」ポーズ姿の銅像が設置された。

 ◆斬新な化粧まわし

 ▽ダイヤモンド 元大関・若嶋津は10カラットのダイヤがちりばめられたもの。時価約1億5000万円で史上最高額とされる。

 ▽電飾 ロシア出身の兄弟関取・露鵬、白露山は白ヒョウの図柄に白星が発光ダイオードで点滅する仕掛けだった。

 ▽漫画 志摩ノ海は「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する人気のキャラクター「岸辺露伴」、元小結・千代大龍は「キン肉マン」、元横綱・稀勢の里は「北斗の拳」の3兄弟を描いた3つぞろいで横綱土俵入り。

 ▽アパレル 元大関・貴景勝(現湊川親方)はルームウェアブランド「ジェラート ピケ」から熊のキャラクター、ピケベアをデザイン。

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