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井上温大、巨人史上6位の年俸407%アップ「今まで経験したことのない1年。自分も頑張ったな」

スポーツ報知 / 2024年11月28日 5時0分

会見で笑顔を見せる井上温大(カメラ・宮崎 亮太) 

 巨人の井上温大投手(23)が27日、東京・大手町の球団事務所で契約更改に臨み、2730万円増、今季年俸から約5倍となる3400万円(金額は推定)でサインした。アップ率407%は、球団歴代6位。大幅な昇給にも「(自分への)ご褒美はない」と、慢心は一切ない。今季終了後は侍ジャパンの一員としてプレミア12に参加した左腕は「来季は今まで以上に成績を残して、また日本代表に選ばれる選手になりたい」と、26年WBC出場を目標に掲げた。

 少し恥ずかしそうに、井上は会見場で口を開いた。「(年俸)3400万円です。(球団から)1年間よく頑張ったと伝えられました。自分の中では今年は今まで経験したことのない1年だったので、自分も頑張ったなと思います」。契約更改に臨み、2730万円増、今季の670万円から約5倍となる3400万円でサインした。アップ率407%は、球団歴代6位。高い評価に「うれしいです」と頬を緩めた。

 慢心せずに腕を振り続ける。今季は中継ぎも経験しながら先発ローテに定着して計25試合に登板して8勝5敗、防御率2・76をマーク。リーグ優勝に貢献して、初のビールかけも経験した。シーズン後には初めて侍ジャパンにも招集され、プレミア12では開幕投手を担うなど3戦3勝を挙げた。「1軍の舞台で何試合も先発させていただいて、プロはこういう世界なんだって実感した」とうなずく充実の1年となったからこそ、新たな目標もハッキリした。

 「来シーズンは今まで以上に成績を残して、また日本代表に選ばれる選手になりたい」

 今回のプレミア12では決勝で台湾に敗れ、惜しくも準優勝に終わったが、26年には連覇のかかるWBCが開催される。時期的に日本も相手国も大谷らメジャー選手が参加可能で、選ばれたら超一流との共闘や対峙(たいじ)で得られるものも増えるはず。さらなる高みを目指し、成長を遂げる。

 プロ入り後、初と言っていいバラ色のオフとなったが、「(自分へのご褒美は)ないです」ときっぱり。数字的な目標も立てなかった。「来年、ローテーションに入れると確約されているわけではないので。また奪い取る気持ちでシーズン前から取り組んで」と、地に足をつけて突き進む。

 物欲と同様に、食欲も抑える。オフはG球場などで同期入団の堀田と自主トレを行う予定。「心技体でレベルアップしたい。自分はこれだけやったんだっていう練習、相手打者の特徴を事前に準備することが大事」と語った左腕。侍ジャパンの台湾遠征中に戸郷が持参したお米を食べ過ぎて体重が2キロ増えたが、「体脂肪を3%ぐらい減らしたい」と誓った。「僕、結構チェーン店が好きです。大盛りのチーズ牛丼とか食べるんですけど…」と、先発のご褒美に食べることもあった“ジャンクフード”も封印。「今はよくても、段々と体の操作が遅れたりしてくる。菅野さんもたくさん走り込んで今年、また状態を上げた」と将来を見据え、節制していく。

 「プロ野球の世界は1軍にいてこそ。そういう経験を1年できたのは、来年につながる」と胸を張った。左のエースへ。まだまだ進化を遂げる。(水上 智恵)

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