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渡辺雄太 “八村発言”に「悪者は一人もいません」 八村塁とホーバス監督の関係性や自身の思いを15分間激白

スポーツ報知 / 2024年11月28日 13時25分

八村塁の発言に対しコメントする渡辺雄太(カメラ・池内 雅彦)

 バスケットボール男子で今夏パリ五輪代表の渡辺雄太(千葉J)が28日、都内で取材に応じ、日本バスケットボール協会や日本代表のあり方を巡るNBAレイカーズ・八村塁の一連の発言について初めて言及した。

 渡辺はプロバスケットボールりそなBリーグの今季のオールスターゲーム(来年1月18~19日、千葉・船橋市ららアリーナ東京ベイ)の出場選手発表会見後に取材に応じ、「臆測が臆測を呼んで、事実と異なることが報道されてしまっている。NBAでやっていた身として、日本代表で長年やってきた者として客観的に見た事実を述べさせてもらいたい」と自ら口を開き、約15分30秒間に渡って語った。

 渡辺は今回の発言に至った背景として、八村と男子代表のトム・ホーバス監督の関係性の悪化について「それは事実として実際あります」と認めた。引き金になったのは昨年9月のW杯後にパリ五輪での八村の参加について聞かれたホーバス監督の「代表に参加したいのなら八村が連絡してくるべきだ」などとの発言だという。

 これについて渡辺は、八村の代理人のNBAに集中してほしいとの方針で、指揮官は八村と直接連絡を取る手段がない状況だったと説明。「それが変な記事になってしまって、それ以降も2人が直接連絡を取れることはなかった。そこから関係性が修復できずにという状態が続いていたのは事実」とした。

 渡辺は代表の内情についてあえて踏み込んだ意図について「僕はここで全部を話すつもりはないが、きっかけはますそこでしたというところで。だから『悪者は一人もいませんよ』ということをまず皆さんにお伝えしたかった」と語った。

 また、今回の問題についての個人的な見解も述べた。この日、発言にすることについては八村にも事前に説明。「塁と対立だったり、そういうことをする気はないと彼に伝えている。“渡辺対八村”みたいな構図を作るのだけは絶対にやめてもらいたい」と前置きした上で、「僕はトムが日本代表のヘッドコーチとして誰よりもふさわしいと思っている。これは僕だけじゃなくて、今代表に関わっている選手だったりスタッフのほとんどはそう思ってるんじゃないか」と思いを語った。

 渡辺はホーバス監督とも連絡取り、「正直しんどい」と漏らす言葉も聞いているという。「今回こういう形でトムの今までの功績や、コーチとし尽くしてくれた部分が否定されていってるような状態」と表情を曇らせ、「この件で、もしトムが辞めるようなことあれば日本代表は崩壊していくと僕は感じている。僕も引き続き、これからちゃんとJBA(日本協会)やトム、塁だったりとコミュニケーションを取りながら、これからの日本代表を良くしていくためにやっていこうと思っている。僕からの一つのお願いとして、この件は自分たちでしっかりやっていればいい問題だと思うので、可能ならこの話はいったんここで。今後ちゃんと僕も代表の一員として責任持ってこの問題にはしっかりとこれから向かっていくので」と報道陣に頭を下げた。

 ◆八村の発言を巡る経過 八村は13日に日本協会の姿勢をビジネス優先だと批判し、強化体制にも苦言を呈した。これを受け、同協会は20日に渡辺信治・事務総長が取材に応じ、八村の代理人に事実確認を行ったとして背景を説明。「発言は我々も非常に重く受け止めている」と語った。 しかし、八村は23日(日本時間24日)のナゲッツ戦後に再び発言。日本協会へ「プレーヤーファースト(選手第一)の精神が見られない。そういう方針の日本代表ではプレーしたくない」と不信感をあらわにし、続続投が決まった男子代表のトム・ホーバス監督の手腕についても「練習のやり方、ミーティングも世界レベルではないんじゃないかと思う」と疑問を呈した。

 日本協会はその翌日、「『ホーバス体制にてロス五輪を目指す方針』に変更はありません」とのコメントを出している。

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