巨人ドラ１・石塚裕惺、寮の自室を「松井部屋」のような出世部屋へ 「そう言われるくらい頑張りたい」

集合写真を撮影する（前列左から）石田充冴、浦田俊輔、石塚裕惺、荒巻悠、宮原駿介、(後列左から)西川歩、吹田士道、堀江正太郎、坂本達也、鈴木圭晋、竹下徠空（カメラ・小林　泰斗）

　巨人のドラフト１位・石塚裕惺（ゆうせい）内野手（１８）＝花咲徳栄＝が１日、Ｇ球場で施設見学を行った。他の指名１０選手とともに来年１月に入る予定の寮などを視察して感激。充実の環境で野球漬けの日々を送り、偉大なＯＢの松井秀喜氏（５０）＝ヤンキースＧＭ付特別アドバイザー＝の「松井部屋」のような、新たな出世部屋「石塚部屋」の誕生を目指していく。

　石塚は胸の高鳴りを抑えきれなかった。Ｇ球場や寮を見学。理想の選手になるための設備が整っていた。「きれいですし、すごい施設がそろっていて、本当に野球に打ち込める環境だなと思いました」と、希望に心を弾ませた。

　新たな“看板”を掲げる活躍を見据える。ＯＢの松井秀喜氏は、寮の部屋の畳がすり切れるほど素振りを行う猛練習でスターへの階段を上っていった。後に、その部屋は「松井部屋」と称されるほど有名になった。

　現在の新しい寮は使用され始めてから１年もたっておらず、まだ“出世部屋”はない。石塚が結果を残していけば、いずれ卒業する時に「石塚部屋」と呼ばれ新たな名物となる可能性も十分にある。「そう、言われるくらいの選手になれるように頑張りたい」と、ふさわしい飛躍を誓った。

　野球漬けの日々で己を磨く。地上５階、地下１階の寮には各階に素振りなどができるスペースがある。寮内のラボラトリー（研究室）には最先端の機器やマシンも設置。さらに球場と隣接しているため思い立ったらすぐに練習することも可能だ。「この施設に入ったら自分のやる気次第で１軍に上がれるか上がれないのか、早まるか、遅くなるのか決まる。時間を無駄にしないようにしたい」。設備をフル活用して進化を図る。

　尊敬する選手との時間が心を一層突き動かす。前日１１月３０日に東京Ｄで行われた「ジャイアンツ・ファンフェスタ２０２４」で岡本和、坂本にあいさつ。岡本和とはグラウンド上でがっちり握手を交わした。「すごい選手なんですけど、本当に優しく話しかけてもらった」と感激。球界を代表する主砲と対面し、「体の大きさがすごかった」と厚みのあるボディーにも衝撃を受けた。「いろいろ聞きたいこともある。どんどん話しかけていきたい」と、同じ高卒ドラ１の先輩から貪欲に学んでいくつもりだ。

　この日の施設見学では食堂でビビンバやラーメンなどを堪能。「おいしかった。おなかいっぱいで最後にケーキを一口食べたけど、胃がもたれそう」と笑った。同期入団となる選手と談笑し、「寮の中では仲良く、グラウンドに立ったらライバルとして高め合えたら」と石塚。充実の環境で鍛錬し、スター街道を歩む。（宮内　孝太）

　◆石塚　裕惺（いしづか・ゆうせい）２００６年４月６日、千葉・八千代市生まれ。１８歳。幼稚園年長から勝田ハニーズで野球を始め、佐倉シニアを経て、埼玉・花咲徳栄に進学。１年秋からレギュラーに定着し、３年夏の甲子園出場。高校通算２６本塁打。ポジションは遊撃、三塁。１８２センチ、８４キロ。右投右打。背番号２３。