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羽生結弦さんは「音を細かいところまで徹底的に拾う」 無良崇人さん語る異次元の感性 30歳カウントダウン

スポーツ報知 / 2024年12月5日 6時0分

3月の「羽生結弦 notte stellata 2024」で演技する羽生さん(カメラ・小林 泰斗)

 羽生結弦さん(29)のプロ転向後も、アイスショー「notte stellata」(3月、宮城)、「能登半島復興支援チャリティー演技会」(9月、石川)などで共演してきた“兄貴分”の無良崇人さん(33)が、同じスケーター目線で「プロスケーター羽生結弦」のすごさを語った。(取材・構成=高木 恵)

 ゆづのプロ活動は、一言で表すなら「異次元」につきます。決意表明会見で本人が言っていた「プロのアスリート」そのもの。相当練習しているだろうし、最大限のパフォーマンスを出すための準備と、探求心がとてつもない。最初のワンマンショー「プロローグ」(22年11月、横浜)を見にいったんです。声を大にして言いたいのは、アイスショーを一人で滑りきるということがまず、普通じゃないということ。15分、30分のクールなら分かるけど、90分て。いや、マジかい…と。本当に衝撃でしたね。やっぱり普通じゃなかったわって。スタートから終わりまで、とてつもなく羽生結弦を堪能して帰りました。

 昨年から2年続けて「羽生結弦notte stellata」に参加させて頂きました。ゆづにとって、東日本大震災に対しての思いがすごく集約されたアイスショー。一緒に準備をしてリハーサルをしていく中で、ゆづの口からもそういう話は出ていたし、取り組む姿勢からも、すごくそれを感じました。一緒に滑らせてもらっている中で、一つのショーに懸ける執念みたいなものを毎回感じます。

 9月には「能登半島復興支援チャリティー演技会」にゆづと、鈴木明子さん、宮原知子ちゃんと出演させてもらいました。オープニングは輪島市の和太鼓チーム虎之介の「能登國切籠祭」。太鼓の曲で滑るのは初めてだったんですけど、難しかったです。途中から聴くと、どこから始まっているか、全く分からない。「このパートは何回音が出ているから、何個目から動けばいい」っていうのを、ゆづも頑張って、ギリギリまでめっちゃ聴き込んでくれていました。

 フィナーレのMrs. GREEN APPLEの「ケセラセラ」での2人での掛け合いは、ゆづが振り付けてくれました。やはり音の取り方、拾い方がすごい。普通の人が取る音の1個を倍で取るんですよ。曲の歌詞や音1つに対して、複数の動きを入れてくる。ゆづが普段音を取っているリズムと、僕らが普段取っているリズムは違う。そういう音の取り方ができるって多分、感性。それこそ、音をもう、細かい所まで徹底的に拾うんですよ。

 僕たちが「1、2、3」で取るところの「1」を「0・5」で一度音を取っておいて、その後ちょっと待つとか。あえて均等に音を取らないで取ってみたりとか。ここでこう取るんや…って、新鮮な驚きもありました。全員の練習が終わった後に「もうちょっと自信がつくまでやってから帰ります」って言って、残って練習をしていました。やると決めたら、自分が納得いくまでやりきる人です。

 ゆづがこれから迎える30代が、楽しみでなりません。プロになって「今の方が体の調子がいいかもしれない」って言っていたぐらいだから。ますます進化したスケートを見せてくれることでしょう。現役時代、「ゆづが頑張っているから、俺も頑張らなきゃな」って思いながら試合に出ていました。ゆづに対して、僕にできることが何かあるのであれば、恩返しをさせてほしいと思っています。

 ◆無良 崇人(むら・たかひと)1991年2月11日、千葉・松戸市生まれ。33歳。中京大卒。3歳でフィギュアスケートを始める。2014年の四大陸選手権優勝。GPシリーズは通算2勝。18年3月に引退し、現在はプロスケーター、コーチ、解説者として活躍中。

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