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”オレオレポーズ”でも注目浴びた日韓W杯日本代表最後の一人が現役引退 小野伸二ら79年組仲間にLINEで報告

スポーツ報知 / 2024年12月5日 6時30分

会見で美保夫人から花束を贈られ笑顔を見せる南葛SC・稲本(カメラ・小泉 洋樹)

 サッカー日本代表としてW杯3大会に出場し、関東1部の南葛SCに所属するMF稲本潤一(45)が4日、都内で会見し、現役引退を発表した。2002年日韓W杯で歴史的な2ゴールを奪ったレジェンドは、晴れやかな表情で28年間の現役生活を振り返り、今後は指導者の道に進むことを明かした。稲本の引退により、日本がW杯で初勝利を挙げ、初の決勝トーナメント進出を果たした日韓W杯のメンバー23人全員がユニホームを脱ぐことになった。

 晴れやかな表情で稲本は引退会見の場に立った。「チームを勝たせるパフォーマンスができるかを考えると、厳しいなと。28年間、やり切ったというのが正直な気持ちです」。日韓W杯での2得点から22年。「日本」を「世界」に近づけたMFが、ユニホームを脱ぐ。

 日韓W杯では一躍、時の人となった。推進力のある大型ボランチは初戦のベルギー戦(2△2)で一時勝ち越しの得点を決め、日本にW杯史上初の勝ち点をもたらした。ゴール後の“オレオレポーズ”も話題を集め、第2戦ロシア戦(1〇0)では決勝点で初勝利に貢献。視聴率66・1%を記録した注目の一戦で、金髪の22歳は主役となった。

 「インパクトという意味では、あの2点はすさまじいものがあったかな」。99年のワールドユース(現U―20W杯)準V、日本人初のイングランド・プレミアリーグ挑戦など、79年度生まれの「黄金世代」小野伸二、遠藤保仁らと競い合いながら、日本サッカー界を先導。「79年組が残したものは、今にもつながっていると思う」と胸を張った。

 記者会見前、79年組で作るLINEグループに引退を報告し「これからもおのおのの場所で刺激し合いながら。死ぬまでこの関係が続くのかな」と感慨深げに話した。現役にこだわってきた原動力は「サッカーが楽しいということに尽きる」。今季から、日韓W杯メンバー唯一の現役選手となっていた。この日の会見終盤には妻でモデルの田中美保(41)がサプライズ登場。「なんか朝から怪しかったんだよなあ」と照れながら、笑顔で花束を受け取った。「経験を伝えていければ」と今後は指導者に転身する。(岡島 智哉)

 ◆稲本 潤一(いなもと・じゅんいち)1979年9月18日、鹿児島・姶良(あいら)郡湧水(ゆうすい)町生まれ。45歳。97年にG大阪下部組織からトップに昇格し、17歳6か月でJリーグ初出場、同7か月で初得点。2001年に英・アーセナルに期限付き移籍すると、その後はフルハム、ドイツ1部フランクフルトなどでプレー。10年に川崎に加入し、札幌、相模原を経て、22年に南葛SCへ。日本代表ではW杯3大会に出場するなど通算82試合5得点。妻はタレントの田中美保。

 ◆黄金世代(ゴールデンエージ) 1979年生まれと80年の早生まれの選手を指す。育成年代から豊作の世代として注目を集め、1999年のワールドユース(現U―20W杯)ナイジェリア大会で準優勝の快挙を達成。A代表でも多くの選手が活躍した。主な選手に稲本潤一、小野伸二、遠藤保仁、小笠原満男、高原直泰、中田浩二、本山雅志、加地亮、曽ケ端準、播戸竜二、坪井慶介、南雄太ら。ワールドユースのメンバーでは、FW永井雄一郎が唯一の現役で、今季は埼玉県社会人リーグで選手兼監督。

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