【カペラS】落馬大けがから8か月…くも膜下出血克服した吉田隼人騎手が復帰後重賞初V「ホッとしています」
スポーツ報知 / 2024年12月9日 6時0分
◆第17回カペラS・G3(12月8日、中山・ダート1200メートル、良)
第17回カペラS・G3は8日、中山競馬場で行われ、単勝1番人気のガビーズシスターが直線で差し切り、重賞初挑戦Vを果たした。鞍上の吉田隼人騎手(40)=美浦・フリー=は4月20日の落馬負傷による大けがを乗り越え、復帰後の初タイトル。3月に開業した森一誠(かずとも)調教師(47)=美浦=も初挑戦での重賞ゲットとなった。
勝利騎手インタビューを終えた吉田隼は腰を90度曲げ、深々と頭を下げた。4月20日の福島でレース中に落馬。くも膜下出血と診断され、長期休養を余儀なくされた。苦しいリハビリを乗り越えて10月6日に実戦復帰。そこからさらに2か月、待ちに待った瞬間が訪れた。「まずホッとしています。このようなチャンスをいただいたオーナーだったり、調教師だったり、厩舎スタッフには感謝しています」と表情を緩めた。
前半3ハロン32秒5の激流だったが、慌てることなく、7番手を手応えよく追走した。直線を向いて相棒を外に導くと、あとは伸びるだけ。ゴール前で先頭に立ち、外から猛追したクロジシジョーを首差抑え込んだ。「いきなり重賞トライで勝っちゃうんですからね。本当にすごい」と鞍上。3連勝を決めたアポロキングダム産駒の3歳牝馬に最敬礼した。
中野栄治調教師の定年引退に伴い、3月に森一厩舎へ移った。その前任者の前で結果を出した新進トレーナーは「大事に育ててくださっていて、いい状態で引き継がせていただいた。中野先生の前で勝ててすごくうれしかった」と感謝した。
この勝利で来年にサウジアラビアで行われるリヤドダートスプリント・G2(2月22日、キングアブドゥルアジーズ競馬場・ダート1200メートル)の出走権を得た。トレーナーは「オーナーと相談して」と言うにとどめたが、ダート短距離界の新星の未来は、限りなく明るい。
(松末 守司)
ガビーズシスター 父アポロキングダム、母アンジュデトワール(父スペシャルウィーク)。美浦・森一誠厩舎所属の牝3歳。北海道新ひだか町・へいはた牧場の生産。通算8戦5勝。総獲得賞金は8885万5000円。重賞初勝利。馬主は長島和彦氏。
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