NHK大河「光る君へ」いよいよ最終回!倫子「あなたと殿はいつからなの?」にまひろは… 第48回みどころ
スポーツ報知 / 2024年12月14日 13時0分
女優の吉高由里子が主演するNHK大河ドラマ「光る君に」の最終回となる第48回「物語の先へ」が15日に放送される。
大石静氏が脚本を手がけるオリジナル作品。大河ドラマではきわめて珍しい平安時代の貴族社会を舞台に、1000年の時を超えるベストセラー「源氏物語」の作者・紫式部/まひろの生涯に迫る。
8日に放送された第47回「哀しくとも」では、まひろ(吉高)の目の前で刀伊の矢を受けた周明(松下洸平)は絶命。朝廷にも刀伊の攻撃による被害状況が伝わるが、摂政・頼通(渡邊圭祐)は対応に動かず静観し、大宰権帥・隆家(竜星涼)の褒賞をめぐっても、陣定(じんのさだめ)で冷ややかな扱いとなった。まひろは京に戻り、出家した道長(柄本佑)と再会。倫子(黒木華)から呼び出され、2人の関係について問いただされる―という展開が描かれた。
「逃げろ」というまひろへの言葉を最後に、周明は帰らぬ人となった。埋葬もされず、野ざらしで死んでいく。かつての直秀(毎熊克哉)を道長とまひろは鳥辺野で弔ったが、周明の場合は埋葬することすらかなわなかった。生きた証しを残させてもらえることもなく、名もなき民として、命を落としていく。ともすれば貴族だけの話になってしまう「光る君へ」だが、この残酷さが表裏一体となってつきまとう。
気落ちするまひろに、隆家のかける言葉が響く。「俺もいろいろあったが、悲しくとも苦しくとも人生は続いてゆくゆえ、しかたないな」。隆家のこれまでを知っているゆえ、説得力ありすぎるせりふである。
隆家の大奮闘も朝廷では他人事として受け止められており、実資は「都であぐらをかいていた我らが、命を懸けた彼らの働きを軽んじるなどあってはならぬ」と憤る。1000年前から「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きてるんだ!」が繰り広げられているし、なによりこれが「小右記」に記されている史実であるということも興味深い。はたして陣定の決定が適切であったかどうかは分からないが、はた目には、そりゃ戦も始まるよなあという感覚である。
自分不在の政に思いをはせつつ、その先にはまひろがいる道長。賢子(南沙良)からまひろは太宰府にいると知らされ、目をキュッと閉じる表情からは、いろんな感情が読み取れる。帰京に躊躇(ちゅうちょ)するまひろに、乙丸(矢部太郎)は「帰りた~い!」と連呼し背中を押す。思わず笑っちゃうが、ひたむきな感情が人を突き動かす。
土御門に帰京の報告に上がるまひろは、初めて剃髪した道長の姿を目にする。言葉を交わすこともなく、倫子のもとに行ったまひろを見送った道長は再び目を閉じる。生きていてくれた安堵(あんど)、わき上がってくる思慕の情。目をつぶるだけでこんなにいろんな思いが伝わるものかと、静かな演技に感服するばかりだ。
まひろを迎えた倫子は、昔話をしつつ「それで、あなたと殿はいつからなの?」「私が何も知らないとでも思っていた?」とほほえみをたたえながら問う。このすごみ、適当に逃げるわけにはいかない。いよいよの時である。
15分拡大の1時間枠で放送される第48回。倫子から問いただされたまひろは、2人のこれまでを打ち明ける。すべてを知った倫子は驚きとともに、ある願いをまひろに託す。その後、まひろは「源氏物語」に興味を持った見知らぬ娘と出会い、思わぬ意見をに耳を傾ける。時が経ち、道長は共に国を支えてきた公卿や、愛する家族が亡くなる中、自らの死期を悟り最後の決断をする。危篤の知らせを聞いたまひろは…という展開が繰り広げられていく。
倫子とまひろの2人だけのシーンは、穏やかでありながら張り詰めていて、息をするのも忘れてしまうほど。アバン(導入)が終わってクレジットロールに入るまでにすでに1本見終えたような厚みがある。しかしながらストーリーはまだ続く。「物語の先に」というサブタイトルはまさに端的に表しており、まひろと道長の関係性、そしてまひろが何を選び取るのか。物語の先の物語を見守ってほしい。
1月の初週から続けてきた当コラムも最終回。視聴者、読者の皆様からのお声に励まされながら1年続けてこられた。中学、高校で学んだ古典の授業や、大学の専攻課程で学んだ仮名文字の読み書き。授業を受けながら「これ、この先の人生で役に立つことあるのかな…?」とぼんやり思っていたが、時を超えてこの1年、めちゃくちゃ役に立った。筆者の物語にも「先があった!」と感動を覚えた一方で、「光る君へ」は紫式部の生涯を通して、視聴者のおひとりおひとりの物語に連なっていくものなのだと深く感じた。自分の物語に思いをはせる楽しみもありそうだ。(NHK担当・宮路美穂)
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