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【朝日杯FS】川田将雅騎手「アドマイヤの馬で勝てたことがうれしい」 天国の近藤利一オーナーに“恩返し”連覇

スポーツ報知 / 2024年12月16日 6時0分

川田騎乗のアドマイヤズームがV(カメラ・高橋 由二)

◆第76回朝日杯FS・G1(12月15日、京都・芝1600メートル、良)

 第76回朝日杯FS・G1は15日、京都競馬場で行われ、5番人気のアドマイヤズームが未勝利Vから連勝で2歳マイル王者に輝いた。川田将雅騎手(39)=栗東・フリー=は最多タイの4勝目。友道康夫調教師(61)=栗東=は、ドウデュースで挑む有馬記念へ弾みがつく勝利となった。

 強い確信を胸に追い出した。アドマイヤズームが2番手で迎えた直線入り口。手綱越しに抜群の手応えが伝わった川田の視線の先に、はっきりと勝利が見えた。「もう負けることはないなと思い、なおさら丁寧に馬場を選び、今後のためにしっかりと動かしました」。力強いアクションで加速し、右ステッキでギアを上げる。馬場の真ん中を突き進み、一瞬で他馬を置き去りにした。2馬身半差。強さだけが際立った。

 レース後の検量室前。川田は友道調教師と抱き合った。このレースは連覇で最多タイの4勝目。しかし、それが理由ではない。19年に亡くなった近藤利一オーナーでおなじみの「アドマイヤ」の馬でのG1初勝利だったからだ。「アドマイヤの馬で勝てたことをとてもうれしく思います」。遺志を引き継いだ妻の近藤旬子オーナーにとってはG1初勝利。大きな“恩返し”ができた。

 友道師は今年、“二人”で戦ってきた。身に着けていたのは裏地にイニシャル「RK」と入った紺のスーツ。利一オーナーが亡くなる直前の19年秋に、香港マイルへ挑むアドマイヤマーズを見届けるために新調したものだ。当時はそのスーツを自ら着て、一心同体で勝利をつかんだ。

 その後はサイズが合わず、4年以上着ていなかったが、今年2月に東京のサイズ補正のうまい店で修繕。その後はG1で毎回着る“勝負服”になった。これで年間キャリアハイとなるG1・4勝目となり、今週は3年前のこのレースの勝ち馬でもあるドウデュースの有馬記念。注目を集めるラストランへ「来週も着るしかないでしょう」と笑った。

 G1ウィナーとなったが、アドマイヤズームの進むべき道は見えている。「マイル路線ですかね。来春はNHKマイルCを目指していきたいと思っています」とトレーナー。2歳マイル王はさらなる進化を遂げ、ターフに戻ってくる。(山本 武志)

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