元京大監督・水野彌一氏観戦記 立命大優勝は完成度の高さ 目を見張ったRB蓑部雄望のランニングセンス…甲子園ボウル
スポーツ報知 / 2024年12月16日 6時0分
◆アメリカンフットボール全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」 立命大45ー35法大(15日・甲子園)
立命大(関西1位)が法大(関東1位)を破り、9年ぶり9度目の優勝を飾った。京大監督として甲子園ボウルを6度、ライスボウルを4度制覇した名将・水野彌一氏(84)が、スポーツ報知に観戦記を寄せた。
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パントで第4ダウンの攻撃権を放棄したのは互いに一度だけ。点の取り合いになった好ゲームだった。立命大が圧倒すると予想していただけに、法大の健闘に敬意を表したい。
法大は21―61で関学大に大敗した昨年と比べると、見違えるように強くなった。よく練習した跡がうかがえた。特にOL(オフェンスライン)が素晴らしく、互角の戦いができた要因だった。立命大の約2倍の240ヤードをパスで獲得したように、QBの力量も一枚上だった。
それでも立命大が勝てたのは、完成度が高かったからだ。RB蓑部(雄望)くんには目を見張った。身長168センチ、体重67キロで足がすごく速いわけでもないが、ランニングのセンスが抜群。目の前だけではなく“もう一つ先”が見えている。これは天性だ。ランで獲得したのは計125ヤードで、山崎大くんの計214ヤードには及ばなかったが、プレー回数は山崎大くんの11度を上回る24度。チームから信頼されている証しだ。まだ2年生。もっとすごいランナーになる。
◆水野 彌一(みずの・やいち)1940年6月13日、京都市生まれ。84歳。西京高から防衛大に進み、アメフトを始める。中退後に京大進学。在学中にコーチ、80年から監督を務め、甲子園ボウル優勝6度、ライスボウル優勝4度。11年に勇退。追手門学院大総監督などを歴任し、19年から京都両洋高ヘッドコーチ。
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