【高校野球】大谷の背番号「17」を受け継ぐ花巻東・古城大翔内野手「甲子園で勝つことが自分の目標、チームの目標」
スポーツ報知 / 2024年12月16日 7時33分
巨人・古城茂幸3軍打撃コーチ(48、来季から1軍内野守備コーチ)を父に持つ花巻東(岩手)の古城大翔(だいと)内野手(1年)がこのほど「とうほく報知」のインタビューに応じた。入学直後だった今春の花巻地区大会からメンバー入りして4番も経験。菊池雄星投手(エンゼルス)、大谷翔平投手(ドジャース)、佐々木麟太郎内野手(スタンフォード大1年)も着用した背番号「17」を着けるスラッガーに意気込みを聞いた。
(取材・構成=高橋 宏磁)
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古城は春の地区大会で2試合とも「4番・三塁」で先発。花巻東の佐々木洋監督は「花巻東で1年生が地区大会から出たといったら雄星、大谷、麟太郎。そのぐらいですかね。(現巨人の)西舘(勇陽)も、1年の春はメンバーに入ってない」と高く評価していた。ただ本人は後悔が残る1年間だったと言う。
「試合に出ることに関して、うれしい気持ちもありました。その反面『自分でいいのかな』という気持ちもありました。先輩たちにカバーしていただき、春から夏にかけてたくさんの経験をさせてもらった。センバツという大きな目標に向かっている中でたくさんミスをしてしまって、勝ちゲームも負けてしまった。自覚が足りなかったのかな」
今夏の甲子園では、滋賀学園との2回戦(0●5)に「4番・三塁」で2安打を放ったが、課題の一つに挙げたのが走塁だ。0―3で迎えた4回1死一、三塁。三塁走者としてスクイズで本塁を狙うもタッチアウトに。チャンスを逃したチームは無得点で敗れた。
「得点を奪えそうな場面で走塁ミスをして、守備や投手のテンポを崩した。先輩たちのプレーを壊してしまった」
10月の秋季東北大会では、別の課題が浮き彫りになった。青森山田との準決勝に「4番・三塁」で4打数2安打。ただ2回に先制点を許した後、自らの失策で2点目を献上した。
「ダブルプレーを取ろうとして、早めにボールから目を切ってしまった。大切な試合で自分が敗因をつくってしまった。とても悔しくて印象に残っています」
大谷に憧れ、花巻東への進学を決めた。約130キロでプロレベルとされるスイングスピードは最速128キロ。甲子園デビュー戦でマルチ安打を放ち、長打力も魅力だ。
「(自分の)一番は打撃だと思っています。でもボールを飛ばすためには、筋力を上げないといけない。ベンチプレスは75キロですが、まずは90キロを目標にしたい」
筋トレなどのメニューでは、大谷が高校時代に取り組んでいた内容も参考にしているという。
「(大谷の筋トレは)回数も重さも、今の自分ではこなせないです。一番驚いたのは柔軟性ですね。翔平さんは可動域が広くて股関節も柔らかく、けがをしない体だと思いました。長い練習をこなすためにも柔軟性は大事だと思っているので、この冬に取り組んでいこうと思っています」
右打ちだが、大谷の打撃フォームは参考にしているという。
「(中学時代から)父と一緒に動画を見ていました。(ボールを)引き付けて、ものすごい速さのスイングスピードではじき返す。自分には無理です。ヒーロー的な存在ですね。パワーなど全然比べものにはならないんですけど、体の使い方やバットの出し方は、スロー映像や横からの画像を見て参考にしています。今は下から(バットを)出す意識が強いです」
厳しい冬の先に見据えるのは、やはり甲子園だ。
「甲子園で勝つことが自分の目標でも、チームの目標でもあります。甲子園に絶対に戻るんだという気持ちは忘れずに持っています。私生活でもまだまだ未熟なので、一日一日を大切にしていこうと思います」
◆古城 大翔(ふるき・だいと)2008年6月4日、横浜市生まれ。16歳。小学1年時に軟式の山田バッファローズで野球を始める。中学時代は都筑中央ボーイズでプレー。花巻東では1年春から背番号「17」でメンバー入り。181センチ、89キロ。右投右打。
◆来春センバツ東北地区の行方 一般選考枠は「3」。昨秋の東北大会で優勝した聖光学院(福島)と準優勝の青森山田(青森)は、地域性や試合内容などを考慮し“当確”だ。3枠目を争うのは準決勝敗退の2校。好投手・小坂を擁する山形中央か、高いチーム力を武器に粘り強く戦える花巻東か。山形中央は準決勝で聖光学院に1―7、花巻東は準決勝で青森山田に1―4で敗れたが、試合内容なども選考に影響を与える可能性がある。
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