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「4代目・山の神」候補の本命、城西大・斎藤将也「5区を走り、往路優勝を目指します」

スポーツ報知 / 2024年12月16日 17時40分

22年激坂最速王決定戦で圧勝した斎藤将也。激坂を跳ねるように攻略した

 第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)に3年連続19回目の出場となる城西大が16日、オンラインによる会見を行った。

 昨季は出雲駅伝2位(過去最高18年8位)、全日本大学駅伝5位(同18年8位)、箱根駅伝3位(同10、12年6位)と3大駅伝すべてでチーム最高記録を更新した。今季は出雲駅伝7位、全日本大学駅伝6位。いずれも昨季を下回ったが、堅実な結果を残し、箱根に向けて順調。櫛部静二監督(53)は「目標は4位以上(以内)です。4位は中途半端な数字と思えるかもしれませんが、3強(国学院大、駒大、青学大)の存在があるので、その順位になりました。ただ、4位以上ということは3強の一角を崩し、3位以内を目指すという意味もあります」と意欲的に話した。

 箱根駅伝で重要区間となる5区は前々回、前回ともに「山の妖精」と呼ばれた山本唯翔(現スバル)が2年連続で区間新記録の区間賞と大活躍した。「山本の穴はやはり大きい」と櫛部監督は率直に明かす。実は5区には山本と同等の能力を持つ選手がいる。エースの斎藤将也(3年)だ。

 斎藤は1年時の22年11月に「仮想・箱根5区」と呼ばれる「箱根激坂王決定戦」の登りの部(13・5キロ)で当時3年だった山本に約1分も先着した。箱根駅伝では1、2年時ともに2区を走り、区間15位、区間8位。全日本大学駅伝では2年時に4区区間賞、今季は4区で区間2位ながらタイムは前年より19秒縮めた。

 上りの走りの適性があり、平地の地力もある。斎藤将也は「4代目・山の神」の本命と言える存在だ。

 「今年も5000メートル、1万メートルともに自己ベストを更新することができました。チームのためにしっかり5区を走り、往路優勝を目指します。チームを勝たせられる走りをします」。斎藤は力強くコメントした。

 これまで、箱根駅伝5区では3人の「山の神」が現れた。05~07年に3年連続区間賞の今井正人(順大)が初代。09~12年に4年連続区間賞の柏原竜二(東洋大)が2代目。15年に区間新をマークした神野大地(青学大)が3代目。5区で区間新記録をマークし、往路の優勝テープを切ることが「襲名」の条件と言われる。07年に今井が区間新記録をマークしてゴールした瞬間に日本テレビの河村亮アナウンサーが初めて「山の神」という言葉を使い、定着した。今でも日本テレビのアナウンサーの裁量に任される部分が大きい。「山の神」のフレーズが誕生する前、1974~77年に4年連続で5区区間賞で、そのうち2回、往路優勝した大東大の大久保初男も「神クラス」の活躍をした。当時は「山のスペシャリスト」などと呼ばれいた。

 タイムでみれば、現在の区間記録は前回大会で山本唯翔がマークした1時間9分14秒。現在の函嶺洞門バイパスではなく、函嶺洞門を走るコースだった05年に今井が1時間9分12秒で走破。旧コースと現コースはほぼ同じだが、バイパスを通る分、現コース約20メートル長い。時間にして3~4秒。もちろん、気象条件は異なるものの、山本は「初代・山の神」より速く走った計算となる。ただ、15年に神野は、往路の小田原中継所が小田原市街地で現コースより約2・45キロ長いコースを1時間16分15秒で走った。現コースに換算すると1時間8分54秒で、この記録が「事実上の5区記録」とされる。

 櫛部監督は「山本唯翔はチームのために頑張ってくれて本当に強かった」とチームを支えた「山の妖精」をたたえた上で「斎藤は、その山本より強いですよ」と明言。「天気やタスキを受ける位置などの条件次第ですが、1時間8分台は出せると思います」と期待を込めて話した。

 前々回、前回2区を担った斎藤が5区に回り、花の2区は、前回3区3位のヴィクター・キムタイ(3年)、あるいは同9区10位の平林樹主将が候補に挙がる。

 平林は5月の関東学生対校1万メートルで日本人トップの2位になるど今季、急成長。平林と言えば、国学院大のエースで主将の平林清澄が有名だが「城西大の平林」も負けていない。2区で「平林対決」が実現すれば大きな話題になる。キムタイは今季、出雲駅伝、全日本大学駅伝いずれも3区で区間賞を獲得。箱根でも3区を走った場合「3区3冠王」の期待がかかる。

 キムタイと平林を中心に1~4区で健闘すれば、5区で斎藤の大逆転の可能性がある。「首位と2分差なら往路優勝のチャンスはあると思いますよ。青学大の場合、5区に(前回区間新記録の2位の)若林宏樹君(4年)がいるので、1分差以内で斎藤にタスキを託したい」と指揮官はもくろむ。

 「上りの走りに適性があるか、自分では分かりません。ただ、全力で駆け上がるだけです。何位でタスキをもらっても一番でゴールできるように頑張ります」と斎藤は強気に話す。城西大と斎藤将也が第101回箱根駅伝で主役となる可能性は十分にある。 

◆城西大 2001年創部。箱根駅伝は04年に初出場。最高成績は前回の3位。昨季は出雲駅伝2位、全日本大学駅伝5位といずれも最高成績を残した。練習拠点は埼玉・坂戸市。タスキの色は黄色。女子駅伝部は全日本大学女子駅伝で1998、00年の2度優勝。主なOBは16年リオ五輪トラック長距離代表の村山紘太(GMOインターネットグループ)、21年東京五輪3000メートル障害代表の山口浩勢、箱根5区で2年連続区間新記録の山本唯翔(スバル)ら。

◆斎藤 将也(さいとう・しょうや)2003年10月22日、福井・大野市生まれ。21歳。箱根駅伝に憧れ、福井・敦賀気比高に入学後、本格的に陸上競技を始める。22年に城西大経営学部に入学。自己ベスト記録は5000メートル13分33秒39、1万メートル27分45秒12、ハーフマラソン1時間3分18秒。165センチ、49キロ。

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