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「何なんだ、このおじさんは?と思いましたけど…」プロ1年生18歳のオリックス・宮城大弥を奮い立たせた言葉

スポーツ報知 / 2024年12月17日 11時35分

オリックス・宮城大弥

 あまりにも不運な結末だった。10月6日の楽天戦(楽天モバイル)はオリックス、そして宮城大弥投手(23)にとってのシーズン最終戦だった。7回表1死で降雨コールド。4年連続の規定投球回到達も最優秀防御率のタイトルも逃し、悔し涙を止められなかった。

 仙台市内の宿舎に戻り、中嶋前監督の部屋をノックした。「今までありがとうございました」。直前の全体ミーティングでは、今季限りで辞任すると告げられていた。新人だった20年は2軍監督。宮城の野球人生で出会ったことのない、強烈な個性を持つ人だった。

 あるファームの試合で「ちょっと来い」と横に座らされた。「空振り三振が少ない。どうすれば増えると思う?」。あいさつ以外では初めての会話。「球数を投げていけば増えると思います」と返すと、食い気味にかぶせられた。「それだと、5回までしか投げられんやないか。どうするんや?」。まだ18歳のプロ1年生。ただ圧倒された。

 すでに能力の高さを見抜き、先発として「考えて投げる」ことを教えたかったのだろう。「何なんだ、このおじさんは?と思いましたけど…」とは当時の心境で、同時に反骨心が芽生えた。直球、スライダー、チェンジアップに加え、この時期からフォークの練習を始めた。「中嶋監督を見返したいと思った。あの言葉が原動力になっています」と、のちの成長につなげた。

 尊敬する山本(ドジャース)が抜けた今季は7勝9敗、防御率1・91。約1か月半の負傷離脱は痛かったが、奪三振率は8・83を記録した。「日本のエースも、オリックスのエースも18を背負ってきた。その一人になりたい」。すでに来季の開幕投手に決定。前指揮官からは「頑張れよ」と最後の激励をもらった。常に謙虚で、聞く耳も持ち合わせている新背番号18。年男の2025年は、完全無欠の大黒柱となる。(オリックス担当・長田 亨)

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