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助演女優賞の吉岡里帆「すごく大きな、大きな出来事。『そのスタンスでいいんだよ』と背中を押された」…報知映画賞表彰式

スポーツ報知 / 2024年12月17日 5時10分

助演女優賞を受賞した吉岡里帆。ブロンズ像を受け取ると、感極まった表情に(カメラ・小泉洋樹)

 「第49回報知映画賞」の表彰式が16日、東京・渋谷区のセルリアンタワー東急ホテルで行われた。

 「正体」で助演女優賞を受賞した吉岡里帆(31)は、居場所を模索し続けた女優人生を振り返り「今回の受賞は大きな、大きな出来事」と歓喜の涙を流した。

 熱いものが込み上げてきた。吉岡は横浜演じる逃亡犯と出会い、疑念を持ちながらも無実を信じる役どころ。プレゼンターを務めた選考委員の映画評論家・渡辺祥子氏から「主演の横浜さんとの難しい関係をすごく努力して表現されていた」と繊細な感情表現を評価され、瞳を潤ませた。

 デコルテの美しさが際立つ、花柄をあしらったアルマーニの黒いドレス姿の吉岡は、ブロンズ像を受け取ると「素晴らしい賞を、こんな華やかな場所でいただいて、気持ちがいっぱい、いっぱい」と興奮気味。続けて「情熱はあふれているのに、空回りしちゃうことがあった」とこれまでの女優人生を振り返り、「横浜さんがエネルギーを全身で受け止めてくれた」と感謝した。それが助演女優賞として実を結び「すごく大きな、大きな出来事。『そのスタンスでいいんだよ』と背中を押された気持ちになりました」と声を弾ませた。

 これまで「どうすれば、作品の中で生きられるだろう。どうすれば、主演の方が輝くように立っていられるだろう」と悩むことが多かった。この作品を通じて「男女の恋愛関係ではなく、一対一の人間として人を信じることの重さ」という大きなテーマを見事に体現し、「一筋の光が見えるような現場でした」と振り返った。

 「正体」に出演したことで「正しく生きること」について考えるようになった。「誠実に、真面目に、真摯(しんし)に仕事に取り組む。それにプラスして自分に負荷をかけた上での情熱を自分のアイデンティティーにしていきたい。自分は天才肌ではないので、天才肌の方々と同じ作品に立つためにも、自分の中の正しさを見失わず、これからも追求し続けたい」と力を込めた。

 2024年は4月に所属事務所を移籍するなど、転機となる一年だった。「強めな風が吹いて、後ろを振り向きたくなるけど、自分を奮い立たせて前を向いて強くなろうとしている。そういう年ですね。今回の受賞が今後の大きな糧になりそうです」。映画愛にあふれる表彰式の雰囲気にも感化され、気持ちを奮い立たせた。(有野 博幸)

 ◆吉岡 里帆(よしおか・りほ)1993年1月15日、京都府生まれ。31歳。2015年度下期のNHK連続テレビ小説「あさが来た」で注目され、17年のTBSドラマ「カルテット」などに出演。主な出演映画は「見えない目撃者」(19年)、「ハケンアニメ!」(22年)、「アイスクリームフィーバー」(23年)など。26年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」に出演する。

 ◆選考委員 荒木久文(映画評論家)、木村直子(読売新聞文化部映画担当)、見城徹(株式会社幻冬舎代表取締役社長)、藤田晋(株式会社サイバーエージェント代表取締役)、松本志のぶ(フリーアナウンサー)、YOU(タレント)、LiLiCo(映画コメンテーター)、渡辺祥子(映画評論家)の各氏(五十音順)と報知新聞映画担当。

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