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“島人ランナー”専大・具志堅一斗「箱根で活躍して沖縄も強いって思われたい」…コザ高時代に長距離部員1人も経験

スポーツ報知 / 2024年12月20日 6時0分

沖縄出身の専大・具志堅(カメラ・堺 恒志)

 第101回箱根駅伝(来年1月2、3日)予選会2位通過の専大は、創部100周年のメモリアルイヤーに2年ぶり72回目の出場を決め、勢いづいている。沖縄出身の具志堅一斗(いっと、2年)が、予選会チーム4番手で突破に貢献した。陸上部員わずか数人の中、自己鍛錬したコザ高時代が原点だ。タフさとあくなき向上心は誰にも負けない。初の箱根駅伝では往路区間を希望し、チーム目標のシード権(10位以内)を手繰り寄せる走りを披露する。

 “島人(しまんちゅ)ランナー”の意地が専大に勢いを与える。具志堅は、今年10月の箱根駅伝予選会でチーム4番手で2位通過に貢献。スタート時の気温は23・2度と例年以上に暑い過酷な条件下でも「(沖縄出身なので)普通の人より耐性はある。100点に近い走りができた」と力強くハーフマラソンを走破。本戦での快走も見据え「自分の名前を見たら一発で沖縄(出身)ってわかると思う。箱根でしっかり活躍して沖縄も強いって思われたい」と視線を上げた。

 地道な努力で今季台頭した。5月の関東インカレ2部ハーフマラソンは1時間5分6秒で14位、12月は1万メートルで29分29秒31の自己ベストを更新。長谷川淳監督(40)も「けがをしない。入学してからずっと練習が継続できている」と舌を巻くタフさは高校時代に培ったものだ。

 サッカー部だった中3時、担任に誘われた陸上長距離で頭角を現し、陸上部で勝負したいとコザ高へ。だが、長距離の同学年はほかに1人、先輩もわずか4人というまさかの環境。強くなるためにどうすればいいか、必死に考えた。2年夏から「月に400キロ走ろうと決めた。ダラダラやるのではなく自分でペースを決める」。1周約377キロの沖縄本島よりも長い距離だ。最終学年時は長距離部員が1人だけだったが、自ら考えた距離目標まで走り続けた。3年時に全国都道府県対抗駅伝で5区を担うなど、努力はウソをつかなかった。

 今季は、出雲駅伝5区区間賞の国学院大・上原琉翔(りゅうと、3年)ら沖縄県勢の活躍が目立つ。気候などの影響で他県に比べて長距離選手は「珍しい。高校時代はあまり(地上波放送のない)箱根駅伝を気にしたことがなかった」と笑う。だが、4区補助員を務めた前回大会で「あれだけ応援されて走れるんだったら走ってみたい」と向上心に火がついた。「自分たちは挑戦者。びびることなく、ガツガツやっていけたら」。18年ぶりのシード奪還へ、具志堅の視界は良好だ。(手島 莉子)

 ◆専大 1924年創部。箱根駅伝には34年に初出場し、総合10位。39年に往路&総合優勝を果たした。43年には復路優勝。出雲駅伝は96年の3位が最高、全日本大学駅伝は84年の2位が最高。長距離部員は44人。学生スタッフは12人。タスキの色は深緑とエンジ。練習拠点は神奈川・川崎市。主なOBはプロ野球・広島や米大リーグで活躍した黒田博樹氏、プロボクシング世界バンタム級元王者の山中慎介氏ら。

 ◆具志堅 一斗(ぐしけん・いっと)2004年7月16日、沖縄・うるま市出身。20歳。高江洲中時代はサッカー部に所属しながら、3年時に全国都道府県対抗駅伝2区出走。コザ高では陸上部に入部し、3年時に同駅伝5区出走。23年に専大に進み、今年5月の関東インカレ2部ハーフマラソンは14位。自己ベストは5000メートル14分24秒70、1万メートル29分29秒31、ハーフマラソン1時間4分32秒。162センチ、51キロ。

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