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巨人ドラ1石塚裕惺、打球速度が巨人・岡本やヤクルト・村上に迫る 反発力使えない置きティーで150キロ

スポーツ報知 / 2024年12月22日 5時0分

最新機器で打撃計測を行った石塚(カメラ・今成 良輔)

 巨人のドラフト1位・石塚裕惺(ゆうせい)内野手(18)=花咲徳栄=が21日、栃木市内の施設でスイングの数値を計測した。止まった球を打つ「置きティー」でプロでもトップクラスの打球速度150キロ超をマークし、周囲を驚かせた。

 アーチ状にズラリと並んだ9台の高性能カメラ。その中心で石塚の木製バットからすさまじい破壊音が鳴り響いた。「試合で打つことが大事。スイングスピードとか打球速度だけにとらわれすぎることもなく、両立してやっていければ」。事もなげに語ったが置いた球を打つ“置きティー”で5球計測した打球速度の平均は約150キロ。弾道測定器「トラックマン」をはじめとする先端機器が、黄金ルーキーたるゆえんの一端を証明した。

 動くボールを打つのと比べて置きティーは反発力がない分、10~15キロほど打球速度が落ちるとされる。投手の球を打った場合は単純計算で打球速度160キロ超。球界トップクラスの岡本(巨人)、村上(ヤクルト)の170キロに迫る数値となる。「一流選手がどれぐらいの数値なのか頭に入れて、近づいて追い越せるように」と石塚。計測した佐藤正紘アナライザーは「プロの方でもなかなか出ない数値」と今夏のU―18侍ジャパン4番の潜在能力に目を丸くした。

 さらなるパワーアップへ大型化計画が進行している。プロで戦う肉体をつくるため、高校野球の現役を引退した今夏の83キロから3キロの増量に成功。「目標は動ける90キロ」と3食に加え、就寝前に白米をかきこんでいる。90キロに到達すれば巨人の支配下内野手では岡本、秋広の100キロに次ぐ重さ。「けがをしない強い体づくりをしたい」と理想のボディーを追い求める。

 阿部監督が秋季キャンプで若手野手に出した「食トレ指令」は記事でチェック済みだ。「米食べて、寝る前にペヤング」などと冗談交じりに語った指揮官の発言も忘れてはいない。お気に入りの夜食を問われるとニヤリとしながら、答えは「ペヤングと言ったほうがいいですかね」。リップサービスにも“超高校級”の風格が漂った。

 11月以降に数度、訪れている「エイジェックスポーツ科学総合センター」で潜在能力を見せつけた。いよいよ来月8日に入寮し、同14日から新人合同自主トレをスタートさせる。「そこから一歩だと思うので、春季キャンプに向けてしっかりアピールできるように。今できることをしっかりやっていい形で入寮を迎えられたら」。将来の巨人を引っ張る金の卵は、ベールを脱ぐ日に向けて着々と準備を進めている。(内田 拓希)

 ◆長距離砲の打球速度 最高峰はドジャース・大谷で、今季の最高打球速度は191.8キロ。平均は154.2キロだった。NPBの日本人打者では岡本、村上、万波(日本ハム)、佐藤輝(阪神)らが最速170キロ超でトップクラス。一般的に長打になりやすいとされるのは打球速度158キロ以上、打球角度26~30度で「バレルゾーン」といわれている。

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