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18歳の山本愛翔が“秒殺”で全日本新人王MVP獲得 憧れの井上尚弥からのエールを胸に世界目指す

スポーツ報知 / 2024年12月21日 20時19分

1回TKO勝利の山本愛翔(左)。左フックで最初のダウンを奪う(カメラ・堺 恒志)

◆プロボクシング 全日本新人王決勝戦 ▽スーパーバンタム級(55・3キロ以下)4回戦 〇山本愛翔 (1回TKO) 矢野円来●(21日、東京・後楽園ホール)

 12階級の決勝戦を行い、スーパーバンタム級は18歳の西軍代表・山本愛翔(あいと、カシミ)が東軍・矢野円来(花形)に初回TKO勝ち。全日本新人王を獲得するとともに、MVPに選ばれた。

 戦績は18歳の山本が5勝(1KO)1敗、23歳の矢野が3勝(2KO)1敗1分け。

 今年3月に高校を卒業したばかりの山本が、“秒殺”で頂点に立った。ボディーで最初のダウンを奪うと、左フックで再び倒した。レフェリーはノーカウントで試合をストップ。プロ6戦目にして初のKO勝ちは、全日本新人王のタイトルとともに、並み居る年上の強豪を差し置いてMVPを呼び込んだ。

 「こんなに強い選手がいる中で選ばれて、うれしいです。これからも一戦一戦、しっかり勝っていきたい」と山本は慣れないリング上でのインタビューに少し照れながらも、力強い言葉を口にした。

 小1から空手、その後にボクシングも始めた。小5からボクシングに本格的に励むようになり、中2の時にU―15大会で優勝。中学卒業後は、石川・七尾市の実家から金沢にボクシング留学し、アパートで独り暮らしをしながら、カシミジムで腕を磨いた。インターハイで16強入りするなどし、金沢学院大付高3年の昨年11月にプロデビュー。デビュー戦こそ判定負けしたものの、その後は中日本新人王を獲得。今年11月の西軍代表決定戦では高田祈斉(KWORLD3)に判定勝ちして全日本新人王決勝戦への切符を手にした。今年元日の能登半島地震で、実家のある七尾市は最大震度6強を記録し、実家は断水などの被害に遭ったものの、家族は幸いにも無事だった。両親は金沢の山本のアパートへ避難してきたが、「勝ち続けることで、皆に元気が出てもらえばうれしい」と自ら鼓舞し、勝ち続けた。

 憧れは同じ階級の世界4団体統一王者・井上尚弥(大橋)。カシミジムが金沢で自主興行を行った2018年夏に、山本は井上と対面する機会があったそうで「話もする機会があって、頑張ってくださいと言われました」とうれしそうに振り返った。「世界チャンピオンになることが一番の目標」という山本は、憧れの人の背中と夢を追い続けていく。

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