【有馬記念】レガレイラを偉業に導いた戸崎圭太騎手が相棒を語った １０年前のジェンティルドンナとの比較も

ヒーローインタビューでガッツポーズする戸崎圭太（カメラ・岡野　将大）

◆第６９回有馬記念・Ｇ１（１２月２２日、中山・芝２５００メートル、良）

　一年の総決算となる冬のグランプリは１５頭（ドウデュースは出走取消）によって争われ、戸崎圭太騎手が騎乗したレガレイラ（牝３歳、美浦・木村哲也厩舎、父スワーヴリチャード）が勝った。先行集団のインでレースを進めると直線入り口で馬場の真ん中に。シャフリヤールと併せ馬の形で脚を伸ばし、最後に鼻差だけ前に出た。

　前走のエリザベス女王杯５着から巻き返し、２３年ホープフルＳ以来のＧ１・２勝目。牝馬の制覇は２０年クロノジェネシス以来４年ぶり８頭目。３歳牝馬の勝利は１９６０年スターロツチ以来となる６４年ぶり２頭目。

　２着にシャフリヤール（クリスチャン・デムーロ騎手）、３着はダノンデサイル（横山典弘騎手）が入った。勝ち時計は２分３１秒８。

　戸崎圭太騎手（レガレイラ＝１着）「少しスイッチが入るときがあるとは聞いていましたが、またがったときからゲート裏まですごく落ち着いていて、雰囲気が良かったです。ある程度前のポジションにつけたいと思っていました。元々スタートに課題があると思っていたので、すごく気を付けていました。少し出負けはしたかなと思いますが、その後の二の脚でスムーズにポジションが取れて、あとは本当に気持ち良く走ってくれたんじゃないかなと思っています。

　（直線の手応えは）十分にありましたし、スムーズに空いてくれたので、あとは伸びるだけだなと思っていましたが、追い込んできた馬と接戦になって、鼻差出てくれたのはレガレイラの気持ちからだなと感謝しています。（追っているときは）もう必死でしたし、もう気持ちでここは負けないでおこうと思っていました。（勝ったかは）全く分からなかったです。帰ってきてから勝ってるとか出てるとかの声が聞けたので、ただ（結果が）出るまでは分かんないなという感じでした。

　本当に素晴らしい馬だなと思います。追い切りにまたがる前の印象としては、ホープフルの勝ち方が本当に強かったので、バネのある軽い走りなんだろうなと見てて乗せてもらったんですけど、すごく軽くていいフットワークだなと感じました。気持ち的にまだ優しさがあるというか、すごく女の子らしい、優しいタイプのある馬かなと思いました。

　牝馬ではたくさんＧ１を勝たせていただいているんですけど、相性がいいのかなというのと、ずいぶん日がたったので、ここで勝つことができてとてもうれしく思います。

　（３歳牝馬Ｖは６４年ぶり）話題にもなっていたので、気にはしていたんですけど、レガレイラの強さを感じましたし、６４年ぶりということで、そのすばらしさをレガレイラを証明してくれたと思っています。

　（有馬記念は）ホープフルＳがありますが、１年の締めくくりというのは変わらずあるかなと。あとは競馬を見られない方でも、日本中が注目しているレースだなと感じています。

　（レガレイラには）もう可能性しかないと感じています。まだまだ成長もしてくれるでしょうし、色んなところでまた活躍してくれると思っています。（直線での接戦は）強さは感じました。優しいけど勝負所での強さはあるのかなと、レースで改めて感じました。

　（１０年前のジェンティルドンナでの勝利と比べると）その年リーディングをとらせていただいたんですけど、Ｇ１がないリーディングジョッキーということで、もう一つだなと思っていたところで、ジェンティルドンナで勝たせていただいた。すごくほっとしたというか、ジェンティルドンナからプレゼントされたなという思いが強かったですね。当時はまだまだ勢いというか気持ちだけで乗ってたんですけど、今は体とも相談しながら、いい意味でいい感触を得ながら、がむしゃらにうれしいというよりは、かみしめるうれしさがあります。

　レガレイラに関しては厩舎とオーナーサイドがプランを立てていくと思うので、そこで色々活躍していってほしいなと思います。ジェンティルドンナはすごくＧ１をたくさん勝っていた馬で、気持ちが強いなと感じました。根性があるというか。それに比べるとレガレイラは少し優しい感じのタイプなのかなと。この差はあります。２頭ともすごく乗りやすい馬ではあります」