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点滴で胃腸炎乗り越え…史上9人目全日本4連覇の坂本花織、次は世界でV4!「守りに入らず、攻めの姿勢で」

スポーツ報知 / 2024年12月23日 5時30分

表彰式で3位の樋口(左)とハグする優勝した坂本(後方は島田=カメラ・岩田 大補)

◆フィギュアスケート ▽世界選手権代表選考会 全日本選手権 最終日(22日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)

 女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)1位の坂本花織(24)=シスメックス=が149・76点をマーク。合計228・68点で優勝し、史上9人目の4連覇を達成した。大会前には胃腸炎を患い、ジュニアでSP2位の島田麻央(16)=木下グループ=の猛追を振り切って、女王の貫禄を見せた。来年3月の世界選手権(米ボストン)代表にも決まり、次は世界でも4連覇に挑む。

 重圧をはね返し、坂本が史上9人目の4連覇を成し遂げた。直前にジュニアの16歳島田が好演して迎えた最終滑走。149・76点でフリーも1位は譲らなかった。ノーミスこそ逃したが「連覇ができたので、今はまずほホッとしています」。濃密なミュージカル「シカゴ」の世界をスピード感たっぷりに演じた。2位に約10点差をつけ、女王は勝ちきった。

 演技直前、中野園子コーチに言われた。「4連覇ができるのは、あなただけ」。島田の猛追は目に入れず、自らに集中した。冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)を着氷。2回転半からの連続ジャンプなど次々に降りた。後半に若干乱れたが盤石。悔しさもあり左拳を握ったが、中野コーチは「チャレンジャーは強い。守っていくのは、かなり大変。その中では頑張った」。連覇に挑んだ今月のGPファイナルは3位。もう負けるわけにはいかなかった。

 危機を乗り越えた。GPファイナルから帰国後の10日に胃腸炎を発症し、発熱もあった。翌日に点滴を打って回復すると「いける!」と午後練習に臨んだ。だが、氷に乗った瞬間「いけへん!と。全然、踏ん張れなかった」と焦った。滑走スピードを最大の武器とする坂本が「人の顔が見えるくらい遅くて」と言うほどだった。すぐさま2日に1度の筋力トレに着手。「(大会が)終わったら休める。今までで一番、トレーニングをした」。気合でキレを取り戻し、全日本に間に合わせた。

 島田と一騎打ちとなった今大会。ジュニア世代の挑戦状に「がむしゃらに頑張っている。自分たちも、応えないといけない」と真っ向から受け止めた。代表に決まった来年の世界選手権は、1959年のキャロル・ヘイス・ジェンキンス(米国)以来、女子で66年ぶりの4連覇に挑む。ミラノ五輪の出場枠獲得もかかる。「自分にとっても重要な大会。守りに入らず、攻めの姿勢でいけたら」。日本のエースとして、新たな歴史に名を刻む。(大谷 翔太)

◆国際大会代表

 【世界選手権】▽男子 鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)佐藤駿(エームサービス・明大)壷井達也(シスメックス)▽女子 坂本、千葉、樋口▽ペア 三浦、木原組、長岡、森口組、清水咲衣、本田ルーカス剛史組(木下アカデミー)=出場に必要な最低技術点の取得が条件▽アイスダンス 吉田、森田組

 【四大陸選手権】▽男子 壷井、三浦佳生(オリエンタルバイオ・明大)友野一希(第一住建グループ)▽女子 樋口、千葉、松生▽ペア 三浦、木原組、長岡、森口組▽アイスダンス 吉田、森田組、田中梓沙、西山真瑚組(オリエンタルバイオ)

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