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琴桜、物心ついた時から見てきた「品格力量抜群」の推挙状…祖父の先代超え6場所で綱取りへ「やるしかない」

スポーツ報知 / 2024年12月24日 6時30分

先代の優勝額を前に、初場所での綱取りへ決意を新たにした琴桜(カメラ・相川 和寛)

 日本相撲協会は23日、大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。先場所14勝1敗で初優勝を果たした大関・琴桜(27)=佐渡ケ嶽=が、千葉・松戸市の部屋で会見。祖父で先代師匠の琴桜と並ぶ横綱昇進へ向けて決意を語った。先場所13勝2敗の大関・豊昇龍(25)=立浪=とともに綱取り成功となれば、55年ぶりの横綱同時昇進となる。

 祖父で先代師匠の綱を背に、琴桜は引き締まった表情で綱取りへの思いを語った。先場所初優勝を果たし、最高位への挑戦権を初めて得た。初場所では2場所連続優勝か、それに準ずる成績でかなう。「大関の地位で優勝、準ずる成績を残さなければ挑戦もできない。先代に追いつくために、自分が立たないといけない部分の一つだった。まずチャレンジできることにしっかり感謝して、あとはやるしかない」と決意を口にした。

 横綱の地位の重さを幼い頃から感じてきた。自宅には先代が1973年初場所後に横綱昇進を果たした際の推挙状が飾られており、物心ついた時から目にしてきた。「『品格力量抜群』と書かれている。全体において整ったものがないと上がれないと思う。先代がその地位にいくまでに感じた厳しさをしっかり感じながら挑戦できれば」と言葉に力を込めた。

 先代は初V後に苦しみ、昭和以降で最スローとなる“大関通過”32場所を要した。それでも72年九州場所で初の14勝を挙げて優勝を果たすと、翌初場所も14勝で連覇。ハイレベルな優勝をきっかけに飛躍した。琴桜も同様に九州の地で自身初の14勝を挙げて初優勝。同じ新春の土俵、さらに今年大関昇進を決めた思い出深い初場所で、先代超えの“大関通過”6場所での綱取りを成功させる。

 同じく綱取りに挑む豊昇龍と同時昇進となれば、70年初場所後の北の富士、玉乃島(のちに玉の海)以来55年ぶり。「こういう状況を乗り越えたからこそ、つかみ取れる地位だと思う。番付が上がることの厳しさ、幕内に上がって三役に上がってと段階を踏むごとにしっかりと感じてきた。あとは自分が挑戦できる立場にいけた以上、やるしかない」。最高位へ、覚悟して挑む。(大西 健太)

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