チラつく「引退」の二文字…広島35歳内野手「文句を言われないぐらい打ちたい」【2025復活にかける男】
スポーツ報知 / 2025年1月1日 12時50分
広島・田中広輔内野手は「打てないと試合に出られないのは、ここ数年を見て分かること」と、苦しい現状に真正面から向き合う。昨季15安打は、22年の8安打に次ぐワーストだった。12年目を迎えた35歳ベテランは「結果がすべて。けがをしたら引退。まずはケガをしないこと。文句を言われないくらい打ちたい」と、現役生活を賭けて2025年シーズンに臨む。
66試合に出場した昨年は6月28日の巨人戦(東京D)を最後に、スタメンは17試合だけ。その後は主に代打で22打数1安打。シーズン打率も1割5分6厘にとどまったが、代打に限ると31打数2安打で0割6分5厘。「本当に、あの1打席だけという特別なポジション。しんどさも大変さも分かった」と、代打という役割の難しさを痛感した1年だった。
鉄壁内野陣にドラフト1位の内野手・佐々木(青学大)も加わり、昨季以上にチャンスは限られたものになる。キャンプから若手以上に、目の前の1打席の結果を求められる。「若い選手も頑張っている。いろんな立場で結果を出すために技術はもちろん、今年に感じた精神的なところも落とし込みながら、練習の仕方を少し変えようかなという思いもある」。19年に右膝半月板の手術を受けて以降、低迷が続く。主力だった頃から考え方も変化させ、自身の置かれた立場を理解しながら練習に取り組んでいる。
オフに減額制限(年俸1億円以下は25%)を超える40%減となる2000万円ダウンの年俸3000万円でサインした契約更改後、鈴木球団本部長は「厳しい提示を、どう感じてやるか。切羽詰まった状況。若手との競争になるが、頑張ってもらいたい」と、ベテランの意地に期待する。再起に向けた勝負の1年が始まる。(広島担当・畑中 祐司)
◆田中 広輔(たなか・こうすけ)1989年7月3日、神奈川県生まれ。35歳。東海大相模高、東海大、JR東日本を経て13年ドラフト3位で広島入団。17年に盗塁王、最高出塁率、ベストナイン。18年にゴールデン・グラブ受賞。15~19年にかけて歴代6位の635試合連続フルイニング出場。通算1188試合、打率2割5分7厘、69本塁打、348打点、131盗塁。171センチ、85キロ。右投左打。
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