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田中将大「全て勝つ気持ちでやっていますし、全て勝ってきたこともある」巨人入団会見で来季の逆襲誓った

スポーツ報知 / 2024年12月26日 5時0分

入団会見で背番号11を披露する田中将大(カメラ・小林 泰斗)

 楽天を退団して巨人入りが決まった田中将大投手(36)が25日、都内で入団会見を行い、「まだまだできるんだという証明をしたい」と今季0勝からの逆襲を誓った。単年契約で推定年俸1億6000万円プラス出来高払い。背番号は「11」に決まった。同席した阿部慎之助監督(45)から2ケタ勝利、貯金指令を受けると「全て勝ってきたこともある」と24勝0敗だった2013年を回想して復活を約束した。

 紺のストライプスーツに身を包み、「G」マークの球団旗の前に座った。日米通算197勝のレジェンド・田中将が巨人の一員になった。冒頭のあいさつ。入団の喜びと新たな挑戦に臨む覚悟を口にした。

 「子どもの頃からファンだったジャイアンツのユニホームを着ることができるのは非常に光栄に思っています。(200勝まで)残り3勝というところをフォーカスされますけど、自分としては3勝で終わる気持ちはありません。競争は激しいですけど、まだまだできるんだという証明をしたいと思っています」

 200勝は通過点。同席した阿部監督も同調し、「2ケタ勝つつもりで。まだまだできると信じて獲得に乗り出したので。やってくれると信じています」と期待した。その上で「先発でやってもらう以上、10勝10敗じゃどうしようもない。貯金ができる投手というのは知っているし、そうなってもらう」と指令を出した。熱い言葉を隣で聞いた田中将は、引き締まった表情でマイクを握った。

 「自分としても投げる試合は全て勝つ気持ちでやっていますし、もう10年以上前の話ですけど、全て勝ってきたこともあるので。年齢を重ねて、その時に比べて衰えている部分はありますけど、その分、長くやってきたことによっての経験や引き出しはその頃よりあると思うので。一つでも多く勝利に結びつく投球ができればと思っています」

 楽天を日本一に導いた13年はレギュラーシーズン24勝0敗、防御率1・27。開幕24連勝はギネス記録にも認定された。会見で自ら「全て勝ってきたこともある」と口にした部分に強い気持ちがにじみ出ていた。一つでも多く貯金を作れれば、今季15勝3敗でMVPに輝きオリオールズと契約した菅野の穴も埋められる。

 昨年10月に受けた右肘クリーニング手術の影響もあり今季は1軍で1登板のみ、プロ初の0勝に終わった。21年の楽天復帰後は2ケタ勝利がなく、10勝以上すればヤンキース時代の19年以来6年ぶり。今季最終盤は徐々に力強さを取り戻していただけに、復活への思いは強い。

 「これほど野球で何もできなかったシーズンは初めてだったのでメチャメチャ悔しかった。2025年、やり返したい」

 周囲の厳しい声があるのは承知の上だ。阿部監督が「いろいろウダウダ言われていますけど、2ケタ勝って一緒に日本一になることしか考えていない」とコメントすると、田中将も呼応した。

 「僕も、ウダウダいろいろ言われているのは知っているので。自分で証明するしかない。結果で恩返しできるように」

 約20分間の会見後、背番号「11」の真新しいユニホームに袖を通し、帽子もかぶって柔和な表情でガッツポーズした。逆襲に燃える巨人・田中将大の新たな挑戦が幕開けした。(片岡 優帆)

 ◆田中に聞く

 ―今の心境。

 「とてもうれしいです。それが率直な気持ちです」

 ―巨人入りの決め手。

 「やりがいを感じたいということで(楽天を)自由契約になりましたけど、ジャイアンツからお声がけいただいて、すごくうれしかった。一番熱くお声がけしていただいたので、迷うことはなかったです」

 ―背番号「11」に決定。

 「ご提示いただいて、その中で11という数字を聞いた時に、子供のころジャイアンツファンで、斎藤雅樹さんが投げている姿を見て、すごく好きな投手だったので、真っ先に斎藤雅樹さんが思い浮かんで。これも何かの縁なのかな、と勝手に思って11番でプレーさせていただくことになりました」

 ―初のセ・リーグ。

 「ジャイアンツはプロ野球史の先頭で引っ張ってこられているチームだと思いますし、そういうチームでプレーできることは光栄。セントラルは初めて身を置くので、これからどんどん知っていかないといけない。アメリカ時代も含め、DHのないリーグは初めてなので、そのへんも新たなチャレンジになる」

 ―200勝への思い。

 「ここ数年ずーっと聞かれて、ずーっと答えて、ずーっと達成できてないので、いいかげんクリアしたいなという気持ちです。そんな自分に対してもフラストレーションがたまる。一気に勝てるわけじゃないので、まずは先発ローテーションに入っていけるように競争に勝っていかないといけない」

 ―投球スタイルの変化や新たに挑戦したいこと。

 「自分の投球だったりそういうものを常により良くしていきたい、改善していきたいという思いでやっていて、このオフもさまざまなことに取り組んでいる。環境が変わる中でコーチだったり若い選手から学ぶこともあると思うので、一緒に練習して、吸収して、変化していけたらなと思います」

 ―阿部監督の野球。

 「これからしっかり勉強したい。現役時代に対戦したこともありますし、捕手の方なので見ている景色、考えられていることは周りよりもたけているだろうなと勝手に思っています」

 ◆37歳以上のシーズン2ケタ勝利 巨人では加藤初が86年に37歳で14勝(5敗)、工藤公康が00年に37歳で12勝(5敗)、04年に41歳で10勝(7敗)、05年に42歳で11勝(9敗)と2人、4度。他では直近で18年メッセンジャー(神=37歳)が11勝(7敗)、日本人では16年黒田博樹(広=41歳)が10勝(8敗)。ちなみに最多勝利は47年若林忠志(神=39歳)の26勝(12敗)。

 ※年齢はその年に誕生日を迎えたもの。

 ◆13年の田中将大 同年WBCに出場したため開幕投手は則本に譲ったが、本拠地開幕の4月2日・オリックス戦で初勝利を挙げると、球宴前まで無傷の13連勝。9月26日・西武戦の9回には抑えでセーブを挙げ、球団初優勝の胴上げ投手となった。同年、シーズン24勝0敗の偉業を達成。巨人との日本シリーズ第6戦で160球熱投も実らず同年初黒星を喫したが、同7戦に連投で抑えを務め、11年の東日本大震災から2年後にチームを初の日本一に導いた。

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