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移籍2年目の中日外野手が狙うは「カムバック賞」 表彰式の舞台で感じたこと【2025復活にかける男】

スポーツ報知 / 2025年1月1日 13時50分

上林誠知

 慣れ親しんだ福岡を離れて、新天地で迎えた1年目。環境を変えても、中日・上林誠知外野手の長いトンネルは続いていた。昨季は、46試合で打率1割9分1厘、1本塁打、3打点。4月27日の広島戦(バンテリンD)で移籍後1号を放ったものの、8月24日に出場選手登録を抹消されて以降は、2軍調整が続いた。相次ぐ故障で、19年から出場機会が減少。23年に戦力外通告を受け、昨年もまた、もがき苦しんだ。

 昨年の11月下旬。都内で行われた「NPB AWARDS」に出席した。昨年6月26日の阪神2軍戦(ナゴヤ)で、球団初となるウエスタン・リーグでサイクル安打を達成。トロフィーを手にレッドカーペットを歩いたが、心は複雑だった。「光栄だけど、(1軍の授賞式である)午後の部で表彰されたいよね。来年はカムバック賞【注】、取りたいなぁ…」。ポーカーフェースから小さな笑みがこぼれた。

 三拍子を兼ね備え、競争の激しいホークスでレギュラー争いを演じてきた。15年には球団最年少記録の20歳0か月で満塁弾をマーク。ウエスタン・リーグでは首位打者、盗塁王などを獲得した。17年には日本代表として、アジアチャンピオンシップに出場。18年には、歴代4位タイの14三塁打を放ち、主力として5度の日本一を経験した。

 厳しいプロの世界でやってきた自負がある。活躍する難しさと同時に、楽しさも知っているからこそ、諦めるにはまだ早い。決意した矢先、追い風が吹いた。ソフトバンク時代の先輩・松中信彦氏の打撃統括コーチ就任が決まった。「引き出しがたくさんあると思うので、聞きたい」。すでに秋季練習期間にマンツーマン指導を受けるなど、復活への道しるべとなりそうだ。

 今季から「明るく元気に」がモットーの井上一樹監督が指揮を執る。普段はクールな上林だが、「少しでも殻を破っていきたい」とニヤリ。ピンクのリストバンドや、派手な色のグラブを発注し、道具もモデルチェンジを図る。「来年は絶対、チームの力になりたい」。崖っぷちから救ってくれたドラゴンズのため、自分のために輝きを取り戻す。(中日担当・森下 知玲)

 【注】けがや病気、長期の不調などから復活した選手に授与される連盟特別表彰。

 ◆上林 誠知(うえばやし・せいじ)1995年8月1日、埼玉県生まれ。29歳。仙台育英では2年夏から3季連続で甲子園に出場し、3年春はベスト8。2013年ドラフト4位でソフトバンクに入団。18年に全143試合に出場し、キャリアハイの22本塁打をマーク。通算648試合で打率2割4分、58本塁打、206打点、48盗塁。185センチ、90キロ。右投左打。

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