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世代交代にあらがうオリックスのレジェンド守護神の決意「抑えにこだわりはない。ビハインドでも行く」【2025復活にかける男】

スポーツ報知 / 2025年1月1日 13時30分

平野佳寿

 オリックス・平野佳寿投手(40)は潔く現在地を受け止めた。「強き者が残る世界で、去年は僕が、若い投手に負けたということ。悔しい思いを、今年にぶつけたい」。過去を振り返っても仕方がない。前だけを向き、守護神復活へ決意を新たにする。

 目標はシンプルだ。「1年間、1軍の枠にしっかり入るということだけを考えたい」。昨年は登板12試合にとどまり、7セーブ。5月22日に出場選手登録を抹消されてから、1軍の舞台に戻ることはなかった。右肘の不調に、近年ずっと悩まされている腰痛…。「必ず離脱をしているので」と、メジャーから復帰した21年以降1度も果たしていない50試合登板を見据える。

 同じベテランとして支え合ってきた比嘉幹貴・現1軍投手コーチが、昨季限りで現役を引退した。チーム最年長となり、投手陣では33歳の山田が2番目の年長者。「実力がダメで、球団もダメとなれば、スパッと終わるだろうし」と世代交代の波を受け止める。自身がすべきなのは、常に必要とされる戦力でいること。「ここから体調が優れたら45、46歳と(現役で)できるかもしれない。可能性がないこともない」とイメージは膨らんでいる。

 リーグ4連覇を目指した昨季は5位に沈んだ。責任を取る形で辞任した中嶋聡前監督からはある時、心に染みるメールが届いた。「お前のおかげで優勝できた。ありがとうな…」。奥歯にグッと力を入れ、感情を制御。昨年11月のファン感謝イベントで握手し、感謝の気持ちを伝えた。新たに指揮する岸田監督も、平野にとっては特別な存在だ。

 同じ05年のドラフトで入団し、兄弟のような関係を築いてきた。「平野佳―岸田」が必勝リレーの定番だったこともある。「岸田さんを勝たせて、男にしたい。その気持ちは他の人より少し、強いかもしれませんね」と熱く誓う。「そこ(抑え)にこだわりはない。ビハインドでも行く」と、王手をかけているNPB通算250セーブにも、いい意味で無関心。オリが誇るレジェンドは、なりふり構わず前へ出る。(オリックス担当・長田 亨)

 ◆平野 佳寿(ひらの・よしひさ)1984年3月8日、京都府生まれ。40歳。鳥羽高から京産大へ進み、05年のドラフト希望枠でオリックス入団。11年に最優秀中継ぎ、14年は最多セーブ。17年オフに海外FA権を行使してDバックスに移籍し、マリナーズを経て21年にオリックス復帰。23年に日米通算250セーブを達成し、名球会入りした。NPB通算697試合で56勝77敗249セーブ156ホールド、防御率2・95。メジャー通算150試合で9勝9敗8セーブ48ホールド、防御率3・69。186センチ、88キロ。右投右打。

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