「我慢する時間は必要。いつかはやり返す」守護神奪回に燃えるDeNA・山崎康晃【2025復活にかける男】
スポーツ報知 / 2025年1月1日 13時20分
DeNA・山崎康晃投手(32)の目は静かに燃えていた。名球会入りの資格ともなる250セーブまで残り19。もちろん、悲願のリーグ優勝へ向けどの役割でも全力で腕を振る覚悟だが「守護神とか9回に対する思いはもちろんあります」と偽らざる本音を明かした。昨季はわずか4セーブ。こだわりの定位置に戻るには結果を出すしかない。「僕自身はできると思っています。これからいろんなことが起こると思うけど、やってきたことや積み重ねた数字は僕の強みでもある」と自信を口にした。
昨季の春季キャンプでは森原、伊勢と守護神争いを繰り広げたが、シーズンが始まると9回のマウンドには森原の姿があった。この間、山崎はビハインドの展開での登板、そして2度の2軍調整ともがき苦しんだ。それでも腐らずリーダー格としてブルペン陣を束ねた。
1つのターニングポイントがあった。7月27日の巨人戦(横浜)で急きょ、プロ初の先発を任された。腰の違和感で登板回避となった平良に代わり、三浦監督から「康晃しかいない」と託された。コーチらに先発調整の仕方を聞き、必死に準備を進めた。試合開始のまっさらなマウンドに立った経験がなかったため、試合の入り方にも苦労したという。平常心を保つため、あるスタッフからはリリーフカーでマウンドに上がることを提案されたが「先発の気持ちを知りたい」とあえて断り、慣れない環境の中でも気持ちを高めた。
初の先発マウンド。いつもと勝手が違う環境に立たされた山崎を、ファンも代名詞の「ヤスアキジャンプ」で後押しした。「マウンドから見る景色がいつもと違って、いつも以上にみんなが守ってくれているような感じがした」。先発の気持ちを理解することで、ブルペンに入る前にベンチで試合の雰囲気を感じる大切さを知った。
「自分自身が我慢する時間は必要だと思う。それでも今はチームの力になれればと思っているけど、いつかはやり返すという思いでいっぱいです」。迫る金字塔到達へ、奪われた守護神の座は奪い返すしかない。チームをこれまで通り鼓舞し続けながら、背番号「19」は逆襲に打って出る。
◆山崎 康晃(やまさき やすあき)1992年10月2日、東京都生まれ。32歳。帝京では2年夏に甲子園出場。亜大進学後は3年夏に日米大学野球に選出され、優勝に貢献し、最優秀投手賞を受賞。2014年ドラフト1位でDeNAに入団すると、1年目から抑えに定着。22年には当時、史上最年少となる29歳10か月で200セーブに到達した。179センチ88キロ。右投右打。
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