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【ゴールデンスピリット賞】菅野智之が決意「いつかは日本の野球界、日本の社会に恩返しできるように」

スポーツ報知 / 2024年12月27日 5時0分

ゴールデンスピリット賞を受賞した菅野と記念撮影を行う(前列左から)PR犬のバディ、石井みつこ氏、石井勝己氏、日本介助犬協会・高柳友子理事長、介助犬のロイ(後列左から)日本介助犬協会・小寺真美常務理事、日本介助犬協会・橋本久美子会長、三屋裕子氏、佐山和夫氏、榊原定征氏、津崎勝利読売巨人軍事業本部副本部長、栗山英樹氏、依田裕彦報知新聞社代表取締役社長(カメラ・中島 傑)

 巨人から海外FA権を行使し、オリオールズに移籍した菅野智之投手(35)が26日、都内で行われた報知新聞社制定「第25回ゴールデンスピリット賞」の表彰式にオンラインで出席した。プロ野球人の社会貢献活動を表彰するもので2015年に「菅野基金」を設立。「社会福祉法人日本介助犬協会」にシーズン公式戦勝利数×10万円をベースにした支援金を寄付。多方面でサポートを継続的に取り組んできたことが評価された。今後は米球界の社会貢献も学び、日本へ恩返しする未来を描いた。

 自主トレ先の米ハワイから、菅野が受賞の喜びを口にした。オンラインで表彰式に出席。「直接喜びを伝えたかったのですが、来年の準備をしている真っただ中でこういう形になってしまい、本当に申し訳ありません」と語った後、「ここまで続けてこられたのは本当に僕だけの力ではなく、野球ファンの皆さんの力、思いだったりがあったからこそ」とかみしめた。

 先輩の背中を追い、活動が始まった。プロ入り後、内海(現巨人投手コーチ)が児童養護施設の子どもたちにランドセルを贈呈する活動を見て、「自分も何かそういうことができたらいいな、と興味を持った」。3年目の15年12月、介助犬育成・普及を目的に「菅野基金」を設立し、寄付支援やPR活動へ協力して尽力。昨年までの9年間で96勝を挙げた。1勝につき10万円の960万円をベースに、追加も含め支援金合計額は1585万円に上った。「何事もそうなんですけど、続けることが大事。こういう賞に選んでいただき、さらに認知度が上がっていけば、ここまで続けてきた意味があるのかな」と、感慨深げに振り返った。

 活動意義を知るからこそ、支援の輪がさらに広がることを願う。巨人では、岡本が保護された犬猫を支援。丸も都内の生活困窮世帯の子どもたちに食事を支援するなどの活動をしている。右腕は「こちらから『こういうことをやりなよ』という話ではない」と断った上で、「僕が内海さんの姿を見て始めたように、今の若い子たちにもそういう意識であったりとか、活動を広めていくことが一番大事かな、と。お金とかではなく気持ちだと思うので始めてもらいたい」。自ら意義を見いだし、行動を起こしてくれることに期待した。

 海外FA権を行使し、オリオールズへの加入が決定。米球界でも社会貢献に尽力した選手に贈られる「ロベルト・クレメンテ賞」は大きな名誉だ。「メジャーリーグの選手もすごく社会貢献を重視していると聞いていますし、いろんな選手から意見を聞いて、また日本に帰ってきた時に何か還元できればいいなと。毎日勉強して、いつかは日本の野球界、日本の社会に恩返しできるように」。戦いの場が変わっても、思いが変わることはない。(小島 和之)

 〇…表彰式には、日本介助犬協会の関係者が出席した。橋本久美子会長が祝辞を述べたほか、介助犬の活動を紹介するPR犬・バディが、落としたスマートフォンを拾ったり、冷蔵庫の中のペットボトルを取り出すデモンストレーションを披露。多くの出席者の視線が注がれる中で成功させ、大きな拍手を浴びていた。

 ◆菅野 智之(すがの・ともゆき)1989年10月11日、神奈川・相模原市生まれ。35歳。東海大相模、東海大を経て2011年ドラフトで1位指名された日本ハムに入団せず、12年ドラフト1位で巨人入り。最多勝4度、最優秀防御率4度、最多奪三振2度、最高勝率2度。14、20、24年MVP。17年から2年連続沢村賞。ベストナイン5度、ゴールデン・グラブ賞5度。17年WBC日本代表。今オフに海外FA権を行使してオリオールズに移籍した。NPB通算276試合で136勝74敗、防御率2.43。186センチ、95キロ。右投右打。

 ◆ゴールデンスピリット賞 日本のプロ野球球団に所属する人の中から、積極的に社会貢献活動を続けている人を表彰する。毎年1回、選考委員会(委員名別掲)を開いて、球団推薦で選ばれた候補者から1人を選定する。社会貢献活動の表彰はMLBの「ロベルト・クレメンテ賞」が有名で、球界最高の賞としてメジャーリーガーの憧れの的になっている。日本では球場外の功績を評価する表彰制度は同賞が初めて。いわば「球場外のMVP」。受賞者にはゴールデントロフィー(東京芸術大学名誉教授・絹谷幸二氏作製のブロンズ像)と阿部雄二賞(100万円)が贈られる。また受賞者が指定する団体、施設などに報知新聞社が200万円を寄贈する。

 ◆阿部雄二賞 本賞を第1回から協賛している株式会社アイ・インベストメントの代表取締役社長・阿部雄二氏が2001年4月9日に逝去したことを受け、報知新聞社が「阿部雄二賞」を創設した。

 ◆第25回ゴールデンスピリット賞選考委員

栗山 英樹 2023年WBC日本代表監督

榊原 定征 プロ野球コミッショナー

佐山 和夫 ノンフィクション作家。メジャーリーグに造詣が深い。ゴールデンスピリット賞の提唱者の一人。2021年野球殿堂入り

鈴木 俊彦 日本赤十字社副社長

長嶋 茂雄 読売巨人軍終身名誉監督。現役時代のチャリティー活動が評価され、1982年に日本のプロ野球人として初めてローマ法王ヨハネ・パウロ2世に謁見(えっけん)した。88年バチカン市国からバチカン有功十字勲章を受章

三屋 裕子 日本バスケットボール協会会長。バレーボール女子日本代表として84年ロス五輪銅メダル

依田 裕彦 報知新聞社代表取締役社長

(敬称略・50音順)

主催 報知新聞社

後援 一般社団法人日本野球機構

協賛 株式会社アイ・インベストメント、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、ディップ株式会社

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