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長嶋も原も越えられなかった「20度の壁」 巨人・岡本和真が突破 全試合4番でマーク

スポーツ報知 / 2024年12月27日 11時30分

岡本和真

 岡本和がシーズンの全試合で先発4番打者を務めた。全試合4番は21年以来、3年ぶり自身2度目。先制、同点、勝ち越し、逆転の殊勲安打を21年の29本から32本、勝利打点も15度から21度に増やして、ともに今年は両リーグで最も多かった。

 50年の2リーグ制後、シーズンで20度以上の勝利打点は、63年に最多の28度をマークした野村克也(南海)をはじめ、16年に21度の内川聖一(ソ)以来18人目(22度目)。このうち全試合4番で出場は岡本が初めてだ。

 4番で20度以上の勝利打点になると、こちらも16年の内川以来で6人目(7度目)。セ・リーグでは69年長嶋茂雄(巨)、83年原辰徳(巨)、07年ウッズ(中)、22年村上宗隆(ヤ)の19度を上回り、20度の壁を越えた初めての打者になる。

 今年の巨人は岡本に打点がなかった試合で37勝49敗6分けの勝率.430。それが1打点でもあると6~8月に13連勝、1敗を挟んで再び8~9月に9連勝するなど40勝10敗1分けの.800という高勝率だから、勝敗は4番のバット次第。岡本が休まず打線の中心に座り優勝の大きな原動力となった。

 ▼…巨人は4年ぶり48度目の優勝(1リーグ9度、セ39度目)。就任1年目の阿部監督が昨年の4位から巻き返した。チームで新人監督の優勝は6人目。前年の順位は、プロ野球初年度に指揮した藤本定義監督を除き、〈1〉〈2〉〈3〉〈2〉〈4〉位。4位以下からVは初。

 ▼…本塁打は昨年の164本から81本、得点も523点→462点に減った一方、失点を507点→381点に少なくして投手陣が踏ん張った。前年から本塁打を半分以上も減らしてVは、43年12本(84試合)→44年1本(35試合)の阪神以来2度目。

 ▼…坂本の勝利打点11度のうち、4度は菅野が白星。坂本V打の試合に菅野勝利は通算27度ある。2リーグ制後、球団でV打と勝利の組み合わせが多いコンビは

41王 貞治―堀内恒夫

38長嶋茂雄―城之内邦雄

33王 貞治―城之内邦雄

30川上哲治―別所毅彦

27長嶋茂雄―堀内恒夫

27坂本勇人―菅野智之

 長嶋・堀内と並ぶ多さ。

 ▼…丸は1番打者で114試合に先発。初回の先頭打者で迎えた打席を表、裏の攻撃で見ると

 試合 打―安 打率[本]

表=56 54―16 .296-

裏=58 57―23 .404〈3〉

 今年3本を加えた通算13本の初回先頭打者アーチは、全て裏の打席で打っている。

 ▼…全試合で二塁の守備につき吉川が初の全試合出場。全試合二塁を守ったのは01年の仁志敏久以来、チーム23年ぶりだ。3安打以上の猛打賞は11度のうち9月だけで5度。この月は自身最多の月間36安打。

満塁男だ浅野6打数3安打 ▼…浅野は走者なしで70打数12安打の打率.171が、走者有りだと76―23で.303。特に満塁は(犠…犠飛、×…凡打、K…三振、B…四球)犠[本]×KK[安][安]B。19歳8か月で打った満塁アーチを含め、8打席で6打数3安打。

 ▼…菅野は敵地で開幕10連勝を含む11勝1敗。4度目の最多勝、2度目の最高勝率を手にした。最優秀防御率も4度。最多勝と最優秀防御率の両方で4度以上は、稲尾和久(西鉄=[勝]4[防]5)に次いで2人目。

 ▼…戸郷は2年ぶり2度目の奪三振王。1試合では3度あった9三振が最多だった。2リーグ制後、2ケタ奪三振が1度もない奪三振王は、75年の東尾修(太平洋)以来、49年ぶり5人目。過去4人はいずれもパの投手。セでは初めて。

 ▼…ホールドは昨年の120を抜く球団新記録の141。バルドナード26、高梨25、船迫22、ケラーと西舘が各20で5人が20ホールド以上は、11年ヤクルト、19年楽天、23年ヤクルトの4人を上回る最多人数だ。

 ▼…抑えの大勢に黒星が付いた2試合は同点の場面から登板。29度あったセーブ機会での失敗は1度もなかった。通算80セーブは角三男とクルーン93セーブ、西村健太朗81セーブに次いで、石毛博史と並び球団4位。(阿部 大和)

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