失敗だらけの甲子園、「一笑」の思い出…報知カメラマンの年イチショット2024
スポーツ報知 / 2024年12月31日 11時0分
入社2年目で初めて取材した夏の甲子園は失敗だらけの毎日だった。
「帽子のつばの文字が見える写真送って」。本社のデスクから電話で言われるまで、全く気がつかなかった。大会初日の第1試合、4回途中から登板した滋賀学園・高橋侠聖のつばの裏には、撮影画像を見直すと確かに「昼想夜夢」と記されている。「つばもよく見ながら取材するように」と、いきなり“聖地の洗礼”を受けた。
「ピントが甘いぞ」の電話に背筋が凍った。痛いほどの日差しにまだ体が慣れていない3日目。西日本短大付と金足農の一戦は金足農OBの吉田輝星(オリックス)の弟・大輝投手が先発し、「勝っても負けても彼がメーンだろう」と思って取材に臨んだ。しかし154球の熱投は及ばず7回9安打5失点で降板、試合後は号泣しながら2番手の花田晴空と抱き合った。「よっしゃ」と心の中でガッズポーズし、思い通りの絵が撮れたと浮かれながら送信したものの、そんな気分も吹っ飛ぶデスクの一言。あわてて画像を見返すと確かにピントが甘い。翌日の紙面は同じシーンの通信社の写真が使われていた。
暑さにも慣れてきた1週間の準々決勝。撮影担当の試合が終わった4試合目にまた電話が鳴った。「何かあるかもしれないから、大社と神村学園の試合を後半から取材して」。課せられたミッションは、大社側の一塁カメラマン席から「勝っても負けても大社のエース左腕・馬庭優太のこれという1枚」を狙うことだ。3戦連続で完投していた馬庭は疲労を考慮されて先発を回避。同点で迎えた5回から今大会初のリリーフ登板したが5失点、大社の快進撃もここまでとなった。
試合後の大社ナインは涙でみんな下を向いていて、狙っていた馬庭を見失った。ファインダーから目を外して肉眼で探すと、2番手で登板した山本佳汰と抱き合っている。必死にシャッターを押す一瞬、何かが見えた気がした。画像を見返すと、左手から落ちた帽子のつばには「一笑」の文字。ピントもばっちり。一生忘れない1枚になった。(記者コラム 写真部・岡野将大)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
吉田輝星が佐々木希と並ぶ豪華ショット “秋田組”で食事…移籍1年目は「転機の年」
Full-Count / 2024年12月31日 18時5分
-
【2024年山陰のスポーツ】パリオリンピック・パラリンピックに大社旋風 ガイナーレにスサノオマジックなど 島根県・鳥取県
日本海テレビ / 2024年12月27日 17時32分
-
DeNA・浜口遥大、1死も取れず4失点…足の負傷で緊急降板 メキシコ修行で異常事態か
Full-Count / 2024年12月16日 16時34分
-
4連覇ならずも台頭した新戦力 50登板の“甲子園のヒーロー”、NPB記録に並んだドラ6右腕
Full-Count / 2024年12月15日 19時28分
-
20歳右腕は「楽しみでしかない」 甲子園スターが躍動の0.84…X期待「たまらん」
Full-Count / 2024年12月13日 11時12分
ランキング
-
1松山英樹が開幕戦V、PGA新記録「-35」樹立 衝撃の4日間でアジア人最多11勝目「記録出せて嬉しい」
THE ANSWER / 2025年1月6日 10時7分
-
2イチロー氏が野球界に次々“苦言”…「本当にやめてほしい」 鳴らした警鐘「価値が変わる」
Full-Count / 2025年1月5日 20時54分
-
3中国人インフルエンサー、箱根駅伝「走行妨害」に批判止まず...ファン激怒「捕まえてでも静止させるべきだった」
J-CASTニュース / 2025年1月6日 12時14分
-
4190億円の恩恵…大谷翔平は「引き寄せる」 ド軍に逸材加入で「韓国人観光客増えるかも」
Full-Count / 2025年1月6日 8時10分
-
5一度は引退も世界一へ大ジャンプ 同志社大ダブルダッチチーム6人、再挑戦の舞台で躍動
産経ニュース / 2025年1月6日 11時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください