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菅野智之 米再挑戦のきっかけは長野の言葉

スポーツ報知 / 2024年12月29日 5時0分

黙々とグラウンドを走り込む菅野(カメラ・田中 哲)

 巨人から海外FA権を行使し米大リーグ・オリオールズに移籍した菅野智之投手(35)が28日、スポーツ報知の単独インタビューに応じ、固定観念を持たず何事も受け入れる覚悟でメジャー1年目を歩む決意を激白した。現在は米ハワイで自主トレ中。最多勝や最高勝率、MVPのタイトルを獲得した今季の復活と、メジャー移籍をもう一度目指す“きっかけ”となった昨オフの長野の熱い激励なども明かした。(取材・構成=田中 哲)

 新天地が決まった菅野は、南国の地でメジャー球でのキャッチボールや走り込みなどで準備を進めている。今季、ア・リーグ東地区2位のオリオールズで迎えるメジャー1年目。新たな、それでも変わらぬ心境が入り交じった胸中を明かした。

 「もちろん特別な気持ちはあるけど、改まって『何かやってやるぞ!』って気持ちではないかな。競技が変わるわけではないし環境が変わるだけで、野球をやるわけだから」

 今月3日にハワイへ飛び立ち、途中には巨人の優勝旅行に合流。さらにオンラインでの交渉や契約など、慌ただしい期間を過ごし、日本時間17日に入団が発表された。早い段階での移籍先決定は本人にも好材料だ。

 「本当に代理人の力だと思う。早めに決まってくれた方が、絶対的に次に気持ちを持っていきやすいし、確実にプラス。強いチーム、これからのチームにこれだけの評価をしてもらったのが大きかった」

 プロでは今季までの12年間、巨人一筋。新たな場に身を置く上で、覚悟もある。オ軍には寛大な受け入れ態勢もあるが、これまで培ってきた多くの引き出しを駆使しつつ、環境面などでも何事も受け入れる姿勢だ。

 「流れに身を任せるじゃないけど、まずは肌で感じて順応すればいいだけだと思う。いいも悪いも『分かりました』と全部受け入れる気持ちでいかないと。例えば『これしたいって言ったら日本ではこの練習させてくれたのに』とか、そんなことじゃダメ。固定観念を持つと、それを自分でできなかったときに戸惑う。ある程度受け入れる覚悟だけは持っていく」

 それは食事面でも同様だ。

 「日本食が買えるスーパーもある。何とかなるさ、と。食事が気になってパフォーマンスが落ちるとかだったら、それまでの選手。そういうのも含めて受け入れる。言い訳にしたくないからそういうものをちゃんとしなきゃとか、栄養士をつけなきゃとかは考えていない。大事なことだけど、二の次」

 

 今季は24登板で15勝3敗、防御率1・67の数字を残し、最多勝と最高勝率を獲得。3度目のMVPにも輝いた。20年オフにはポスティングによるメジャー移籍を目指したが、限られた交渉期間で熟考を重ねて残留を決断。近年は満足のいく成績ではなかったが、昨オフに一層、心が引き締まった出来事があったのも再びメジャー挑戦を目指す理由となった。

 「気持ち的にここ2~3年は守りに入っている自分がいたのは確か。挑戦することを恐れちゃっていた。でもチョーさん(長野)や(ハワイで合同自主トレを行ったプロゴルファー)中島啓太君、いろんな人がまだ自分に夢を見てくれていると感じた。まだまだ頑張れない自分はダメだと思って、もう一回そもそもの目標にしていたメジャーやタイトルを取るのを1年間積み上げてやっていこうと。チョーさんは前向きにさせてくれるし、『まだまだ全然やれるし、メジャーも行けるよ。俺はメジャーで投げてるところを見たいな』と言ってくれた。そういう人のためにも頑張らないといけないなってシンプルに思ったのが一番力になった」

 目標をワールドシリーズ制覇に据え、個人では、まず1年間ローテを守ること。それは前述で語った「不変」な部分にも通ずる。

 「成績がダメだったり、けがをすればローテーションを外れなきゃいけない。日本でもローテを守るのは一番難しいことだけど、ピッチャーとしては最低限の仕事だと思う」

 35歳で臨む最高峰の舞台。日本の仲間、ファンへ向けても雄姿を届ける。

取材後記

 菅野は次のシーズンへ、泰然自若の様子でトレーニングに打ち込んでいた。その姿は昨オフと変わらなかった。メジャーのマウンドにもあるロージンを使いキャッチボール。「これに合わせられれば滑らない」と日本よりも滑りやすいとされるメジャー球への対応も不安のない様子だった。

 多くの好打者と対戦するア・リーグ東地区。ヤンキースやRソックスなどがひしめき、自身もジャッジやスタントンらの名前を挙げたが、「やっぱり世界最高峰の捕手と言われているラッチマンとバッテリーを組むのが楽しみ」と新相棒との共闘を心待ちにする。

 ラッチマンとは、1月にオンラインミーティングも行う予定。「今、メジャーはとにかく速い球を、よりスピンをかけた球を真ん中付近に投げるっていう。でもラッチマンは違う考えを持ってると聞いた。自分がどういう投手か、そういうのを聞いてどういうリードをしてくれるのかとか」。どう組み立ててくれるかワクワクしつつ、想像を膨らませた。野球少年のような笑顔が印象的だった。

(田中 哲)

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