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金言を元に飛躍した弟弟子が曙さんを悼む「天国でも元気にお酒を飲んで、プロレスや相撲を取っているのでは」

スポーツ報知 / 2024年12月29日 7時30分

93年5月、夏場所初日に横綱土俵入りする曙太郎さん

 2024年も多くの著名人の方々が鬼籍に入られました。スポーツ報知では、身近な人の証言や知られざるエピソードとともに、故人をしのびます。

* * *

◆4月上旬 元横綱・曙太郎さん(心不全で死去・享年54歳)

 東関親方(48)=元小結・高見盛=が亡き兄弟子・曙さんとの思い出を語った。

 米ハワイ・オアフ島から異国にやってきた身長203センチの巨漢は、長い手足を生かした強烈な突き押しを武器に史上初の外国出身横綱に昇進。同期生の若乃花、貴乃花の“若貴兄弟”と1990年代の相撲ブームを盛り上げた。

 東関親方は「豪快で優しくて明るく、身も心も大きい横綱だった」と回想。99年春場所に幕下付け出しで初土俵を踏んだが、入門して間もない頃のことが今も胸に刻まれている。当時、現役横綱だった曙さんに立ち合い稽古で胸を借りた。頭から当たり、手は相手のわきの下に置くのが通常だが思わず右を差してしまった。

 基本を逸脱し、当時の師匠(東関親方=元関脇・高見山)からは叱られた。ただ曙さんは「それでいいんだ。その相撲を磨けよ。右四つになって腕(かいな)を返していけよ」と認めてくれたという。東関親方は「いいところを見つけて引き出してくれる人だった。それを磨いて、自分の形になった」と振り返る。金言を胸に右四つを武器に小結まで昇進。“角界のロボコップ”の異名も取った。

 酒も好きで、東関親方が若かりし頃は銀座などの高級店にも連れて行ってくれた。「天国でも元気にお酒を飲んで、プロレスや相撲を取っているのでは」と天を見やった。(三須 慶太)

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