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【高校サッカー】札幌大谷が藤井学園寒川との壮絶PK戦制す…2度の敗退危機を乗り越え14人目で決着

スポーツ報知 / 2024年12月30日 6時0分

後半13分、先制のヘディングシュートを決めた札幌大谷・真浦(右から2人目=カメラ・山口 泰史)

◆第103回全国高校サッカー選手権▽1回戦 札幌大谷1―1(PK12―11)藤井学園寒川(29日、千葉・県立柏の葉公園総合競技場)

 札幌大谷が壮絶なPK戦を制し2回戦へ駒を進めた。藤井学園寒川(香川)を相手に、後半13分にFW真浦劉(3年)のヘディングで先制。しかし後半アディショナルタイム(AT)に追いつかれた。PK戦は2度の敗退危機を乗り越え、14人目で決着。12―11と史上3度目となる両軍2ケタスコアでのPK戦を勝ち切り、31日の2回戦では優勝候補の大津(熊本)と対戦する。

 左へ飛んだGK高路地琉葦(3年)の視線の先で、ボールは逆のポストを叩き外へ弾んだ。笑顔で駆け寄ってくる仲間たちに、思い切り飛び込む。14人目までもつれたPK戦は、12―11での決着。PKを得意とする高路地は「独特な雰囲気を感じてしまって、いつも通りの自分が出せなかった。自分のゾーンに入れなかった。選手権は違いました」と振り返った。

 薄氷を踏む戦いだった。先攻で迎えたPK戦は、両軍7人目までは全員が成功。しかし、8人目のDF森詩音(3年)、2巡目に入った12人目のFW簗詰夕喜(3年)と2度、相手より先に失敗。それでも、相手が付き合うように枠を外して命拾いすると「最後はちょっと左右に揺さぶってプレッシャーをかけて、外させる形になった」(高路地)と心理戦を制し、自身の公式戦でのPK戦は4戦4勝と不敗神話を継続させた。

 試合の流れも悪かった。前半は攻め込みながらも得点が奪えず、後半13分にFW真浦のヘッドで先制。しかし、後半ATにロングスローで中央へそらされると、密集の中で同点ゴールをねじ込まれた。MF笹修大主将(3年)は「自分としてはふがいないプレーで終わってしまって、80分通してもっとやれたなと感じている」と反省。それでも勝ったことで「2回自分たちが外した中で、相手が外してくれたというのは持ってるなと。最後に転がってきたり、そこを沈めることを詰めてやってきたチームは強いと思う。次の試合でも意識してやっていきたい」と前を向いた。

 2回戦はプレミアリーグのファイナルを制し、日本一に輝いた大津。圧倒的な攻撃力で、1回戦もベタ引きした福井商から4点を奪い快勝している。清水隆行監督(49)は「高校年代のチャンピオンなんで、対策をしたところでという感じはあるので、自分たちのよさをどれだけ出せるかというところで相手を分析して臨もうと思います」。激闘を制したチームが、運も味方にジャイアントキリングを狙う。

(山口 泰史)

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