「ウルトラセブン」最終回…やはり、あそこはシューマンだった 生前、冬木透先生が語った名シーン誕生の裏側
スポーツ報知 / 2024年12月30日 17時55分
「ウルトラセブン」「帰ってきたウルトラマン」など、円谷プロの人気特撮作品の音楽監督を務めた作曲家の冬木透さんが亡くなった。
スポーツ報知では昨夏、放送55周年を迎えた「―セブン」を特集したタブロイド特別号を発行したが、同作を楽曲面から支えた冬木先生にどうしても話をうかがいたく、円谷プロ、そして「―セブン」を音楽から考察した著作を何冊も世に送り出している著述家の青山通氏の協力で、都内にある先生の御自宅でインタビューをさせて頂いた。
メインタイトルの〽セブン、セブン、セブン…に続くホルンの咆哮(ほうこう)、勇壮なマーチである「ウルトラ警備隊の歌」、そして、「ウルトラホーク発進」…ドラマ内で使用された楽曲は幾多の名シーンと共に今も我々の脳裏によみがえってくるが、音楽監督を引き受けるにあたり、円谷一監督からは
〈1〉最近の子供番組の歌手は音程が悪い。子供の音感が育つような音楽を作って欲しい
〈2〉宇宙の無限の広がりを表現して欲しい
と、いう2点を意識して臨んで欲しい―と言われたそうだ。
前作の「ウルトラマン」と比較するとクラシック的な曲調が多いのも特徴だが、これは先生がクラシック出身ということも影響している。作品屈指の名シーンとして語り継がれている、最終回(第49話)での、モロボシダンがアンヌに自らの正体を明かすシーンで用いられているシューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」も先生の選曲だった。
「音楽に造詣の深い満田●(のぎへんに斉)監督から『ラフマニノフのピアノ協奏曲を使いたい』と提案があった。本当は『グリーグのピアノ協奏曲』と言いたかったようですが。満田監督の提案は、青春の甘酸っぱさのようなものは感じますが、ダンが宇宙人である、という重要な事実をアンヌに明かすダイナミックな展開に比べると、ショックが足りない感じがする。『グリーグ』にしてもそうです。やはり、あそこはシューマンだった。自慢するわけではないですがね」
微笑みながらこう振り返ってくれた。
インタビューの最後を、先生は次のように言葉を紡いで締めくくっている。
「最近、殺伐とした事件が本当に多くなりました。人間の命というものを何と軽んじているのか…もっと命を大切に考えて欲しい。『ウルトラセブン』は、その事を教えてくれています。これからも大切に残っていって欲しい作品ですね」 (名取 広紀)
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