帝京魂体現「命をかけて守れ!」完封&5得点で22大会ぶり16強「パーフェクトだった」
スポーツ報知 / 2025年1月1日 7時0分
◆第103回全国高校サッカー選手権 ▽2回戦 帝京(東京B)5―0金沢学院大付(石川)(31日・U等々力)
2回戦16試合が行われ、戦後最多タイの6度制覇を誇る帝京(東京B)が初出場の金沢学院大付(石川)を5―0で退け、22大会ぶりに16強入りを果たした。前線からの積極的な守備で相手を圧倒した。
カナリア軍団が5発大爆発だ。火ぶたを切ったのは前半7分のMF堀江のミドル弾。アウトサイドキックで放たれたシュートに、相手GKは予想外だったのか反応が遅れ、球はネットの中に。「狙ってるシュートだった」。衝撃の先制点に場内がどよめいた。88年度の67回大会以来の5得点で、22大会ぶりの16強に駒を進めた。
2得点2アシストと活躍した堀江は、日大の入試とかぶった24年11月の予選決勝の国学院久我山戦(2〇1)は不参加。強い気持ちで臨んだ舞台で奮闘し「選手権は自分が活躍してチームを勝たせるという思いを強く持っている。それが結果に出た」と胸を張った。
“真冬の時代”の23年まで監督を務め、現在は順大の監督を務める日比威(たけし)氏(51)の教えが花開いた。帝京が最後に選手権で優勝した時(91年度)の主将でもある日比氏。15年に監督に就任すると、伝統の「堅守速攻」から現在の「ポゼッション重視のパスサッカー」へ変更。止める、蹴るの基本動作に加えてターンやパスなどの細かい技術に磨きをかけた。さらに練習はこれまでの3~4時間を量より質の90分に短縮。技術に優れた選手が自主的に考えるようになり「自分の足りないところを特化したことで、理想的なサイクルになった」という。
金沢学院大付戦で現れたのが前線から積極的に守備にまわる自主性だった。中盤のMF砂押が「命をかけて守れ」と鼓舞すると、選手自らがピッチの中で思考し即座に実行。無失点に終え、相手に一瞬たりとも隙を与えなかった。現在の指揮官、藤倉寛監督(44)も「点差以上に守備が光る試合だった。パーフェクトな守備だった」とたたえた。
次戦は23年の高校総体王者・明秀学園日立(茨城)。選手権勝利数(76年度以降)では68勝の歴代1位、国見(長崎)にあと1勝で並ぶ。強敵だが、堀江は決して気負うことなく「悔いが残らないように一戦一戦勝つ。最終的には優勝したい」と力強く優勝を宣言。教え子の実力を信じる日比氏は「シュートまでの最後のパスがまだ甘い」と尻をたたいた。シン帝京魂、まだまだ進化の余地を残している。(浅岡 諒祐)
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