右足を軸足の左足に引き寄せ「勢いでパワーを」錦織圭“全盛期サーブ”で２５年ツアー快勝発進！エース４本

サーブの時に、右足を左足に寄せる全盛期のフォームに戻した錦織

◆香港オープン　第２日シングルス１回戦 　錦織圭２―０シャポバロフ（３１日、ビクトリア・パーク）

　【香港３１日＝吉松忠弘】元世界ランキング４位で現１０６位の錦織圭（３５）＝ユニクロ＝が、２０２５年ツアー開幕戦を勝利で飾った。同５６位のデニス・シャポバロフ（２５）＝カナダ＝に、一度も自分のサービスゲームを落とすことなく、わずか５８分、６―２、６―３のストレートで快勝した。年頭の開幕戦でツアー本戦の勝利を挙げたのは１９年ブリスベン国際の２回戦以来。２回戦は同１９位で第３シードのカレン・ハチャノフ（２８）＝ロシア出身＝と対戦する。

　開幕戦勝利の秘密は、全盛期時代に戻したサーブのフォームだったことを、錦織が明かしていた。この日、一度もサービスゲームを落とさず、エースが４本でダブルフォルト０。第１サーブが入る確率７０％、同得点率８３％、第２サーブ得点率６０％と、申し分のない数字だった。

　このオフシーズンに、サーブを打つ時に、右足を軸足である左足に引き寄せるフォームに戻した。「右足を寄せることで、その勢いで、パワーや速さをつけたい」。全盛期は、そのフォームだったが、「右肩やひざ（の故障）があったので」、右足を動かさず、左右を開いたまま打っていた。動かない分、威力は出ないが、体への負荷も少なくてすんだ。

　昨年の全仏やパリ五輪では、まだサーブが全く威力がない状態で、試合にならなかった。年の後半になって、ようやく右肩の痛みが減り、サーブを打ち始めた。それが勝利につながった。「サーブの重要性を再び痛感した」

　最高速度では、全盛期も時速２００キロを超えるかどうか。しかし、それをコースと球への回転で補うためにも、今以上の切れやパワーは必要だ。世界４位に導いたサービスフォームに戻すことで、再ブレイクを演出する。