20歳迎える小林美駒騎手 新年の誓い「女性ジョッキーで一番」になる! K―POPの推し活に夢中
スポーツ報知 / 2025年1月1日 6時0分
2025年にデビュー3年目、20歳を迎える小林美駒騎手(19)が、新年の目標に「女性ジョッキーNO1」を掲げた。昨年は落馬負傷で4か月間の休養がありながらも、減量を生かしたレースぶりで1年目から勝ち星は倍増。新春インタビューでは、プライベートの“推し活”も明かしながら、「『乗れるな』というのを分かってもらえるように」と意気込んだ。(取材・構成 角田 晨)
―25年は20歳になります。どんな1年にしたいですか
「大人になった感じがしますね(笑)。まずはけががないようにして、それが結果につながれば一番です。目の前の勝ち星を逃さないようにして、もっとアピールできるようにしたいです」
―お酒も飲める年になりますね
「周りの先輩方に『気をつけろよ』と声をかけていただいているので、節度を持って楽しみたいと思っています(笑)」
―さて、24年を振り返ってください
「あまりいい年ではなかったですね…。19勝を挙げられたのですが、6月からブランクもあって(※左肩の脱臼骨折で約4か月休養)、そこで勝てたレースもあると思うと悔しいです」
―1年目の10勝から勝ち鞍は大きく伸ばしました
「依頼してくださる関係者の方や、アドバイスをくださる先輩だったり、周りのおかげです」
―騎乗の時に心がけていることは何ですか
「やっぱり4キロ減で乗せてもらっているので、軽さを生かして積極的にポジションを取ろうと思っています。スタートの良さは出したいです。まだまだ引き出しは少ないんですが、まずはこのスタイルで結果を出していきたいと思っています」
―具体的に何に気をつけていますか
「ゲートの中で馬の落ち着きを大事に、正しい姿勢でスタートできるように意識しています。そのためにはパドックでまたがったときの雰囲気だったり、返し馬だったり…全てのことがつながっていますね」
―なにかトレーニングはしていますか
「兄弟子の横山武史さんもお世話になっているトレーナーさんに、騎乗フォームの欠点などをピックアップしてもらい、サポートしていただいています」
―女性ジョッキーへの注目は高まっています
「本当ですよね。そのなかで頑張らないと、という気持ちです。(24年に短期免許で来日していた英女性騎手の)ホリー・ドイルさんと福島でお話させてもらったんです。どういう気持ちで乗っているのかとか、どんな競馬場が得意なのかとかお聞きして、励みになりました。まだ、コミュニケーションをとるだけで精いっぱいだったので、次はもっといろいろお聞きしてみたいですね」
―プライベートなこともお聞きします。どんなことで息抜きしていますか
「推し活です! K―POPの男性グループが大好きで、今はBOY NEXT DOORというグループのテサンという人を推しています。兄と一緒にライブに行ったんですが、プレミアムアップグレード席が当たって。ものすごく近くて感動しました」
―どこが推しポイントなんですか
「何だろう…。顔もそうなんですけど、歌とかトータルですね。同い年なんですよ!」
―K―POPの人たちも若いのにすごく頑張ってますよね
「そうですよね。今はどんどん同世代の人がデビューしているので、励みになりますよ。めちゃくちゃ生きがいです。力になってます!」
―同い年のアーティストに力をもらって、25年はますます飛躍の年になりそうですね
「はい! 女性ジョッキーで一番を目指しているのですが、けがなく乗り続けられれば今年はそのチャンスがあるのかなと思っています(※24年の女性最多勝は永島まなみの32勝)。招待レースとかにも呼ばれるような模範となりたいですし、女性で一番勝ち星を挙げるという気持ちで乗っていきたいです。そのためには、ちょっとずつ『(上手に)乗れるな』というのを分かってもらえるように頑張ります!」
◆小林 美駒(こばやし・みく)2005年3月19日、新潟県生まれ。19歳。美浦・鈴木伸尋厩舎所属。兄の影響で小学4年から乗馬を始める。23年3月4日に中山で初騎乗し、同年4月9日に福島で初勝利。同年9月3日には新潟記念で重賞初騎乗を果たした。JRA通算29勝。目標とするジョッキーは兄弟子の横山武史。主な同期は田口貫太、河原田菜々ら。兄・天馬さんは新潟競馬場業務課の職員。153センチ、46.1キロ。
◆取材後記 仕事人としてプロフェッショナル
快活で理論的かつ要点を押さえた受け答え、小林美騎手はまだ19歳と思えないほどしっかりしていた。取材数日前に記者が改めて名刺を渡すと、「こちらに載っている番号にSMSを送るので、よろしくお願いします」とジョッキーから提案。日程調整はスムーズに運んだ。なかなか若手でこういう気配りができる人はいない。
好きなアイドルの話をするときは年相応のあどけなさがあるが、こと仕事人としてはプロフェッショナルだ。記者は競馬以前に担当していたボートレースで若手女性選手を頻繁に取材していたが、同じような“しっかり者”はおおむね後に大きな結果を残した。小林美騎手も、目標とする女性ナンバーワンになるときは近い。
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