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箱根駅伝予選会にも出られなかった千葉大出身の今江勇人がニューイヤー駅伝エース区間で躍動

スポーツ報知 / 2025年1月1日 16時0分

2019年夏、千葉大の土トラックで練習していた今江勇人。ニューイヤー駅伝のエース区間でトップを走る選手になった

 新年早々、爽やかな気持ちになった。

 全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)のエース区間2区で、GMOインターネットグループの今江勇人(26)は4位でタスキを受けると、終始、先頭を走り、首位に立った。国立の千葉大、千葉大大学院出身の今江は、箱根駅伝常連校出身の選手に全く臆することなく戦い、区間2位と活躍。チーム史上最高の4位入賞に貢献した。

 2019年の夏。水はけが悪いエリアにはゴムマットが敷かれている千葉大の土トラックを走っていた今江君の姿をはっきりと思い出すことができる(まさに「今江君」という雰囲気なので、以降、君付けで表記します)。

 2019年6月の日本学生個人選手権3000メートル障害で、当時、千葉大4年だった今江君は2位と健闘した。普段、駅伝強豪の私立大を取材することがほとんどだが、国立大の選手がどんな練習をしているのか、興味が湧き、取材を依頼すると、今江君は快諾してくれた。

 学校を挙げて強化する大学の駅伝チームは食事付きの選手寮など練習環境が整っている。対照的に国立の千葉大は状況が全く異なる。多くの学生がアパートで一人暮らしをしながら練習と学業の合間にアルバイトにも励む。学生時代、スーパーマーケットでアルバイトをしていた今江君は「試合や合宿でお金がかかりますから、その分、働かないと。スーパーは売れ残った食材をもらえることもあるから助かるんですよ」と笑顔で話していた。

 箱根駅伝予選会に出場するためには出場資格記録を持つ選手を10人以上そろえる必要がある。出場資格記録は17年まで「5000メートル16分30秒以内、もしくは1万メートル34分以内」だったが、18年から「1万メートル34分以内」だけに変更。条件が厳しくなったことで、予選会出場校は17年の49校から、18年には39校に激減した。1人だけ足りなかった千葉大も無念の欠場となった。

 19年、千葉大の合言葉は「チーム全員で立川へ、今江さんは箱根へ」だった。今江君は予選会の敗退校で編成されて箱根駅伝にオープン参加する関東学生連合に選出される実力を十分に持っていた。「高校(宮城・仙台三)の時は夢でしたけど、箱根駅伝を走ってみたいですね」と前向きに話していた。

 結果的に千葉大は有資格者が2人足りず、予選会に参加できず、今江君が箱根駅伝を走ることはなかった。それでも、今江君は「直前の記録会で後輩たちは僕を予選会に出すために頑張ってくれました」と悔やむような言葉は一切、口にしなかった。

 当時、千葉大の男子長距離部員は15人。エースの今江君に続く2番手の選手の1万メートルベスト記録は32分44秒だった。チーム内でずば抜けた実力だった今江君はひとりだけ別メニューで走っていた。その経験がニューイヤー駅伝エース区間でも先頭を突っ走る今につながっていると思う。「千葉大に入ってよかったです」と爽やかに話していた今江君の笑顔を思い出す。

 まだまだ伸びしろが残っているだろう。マラソン適性もあるはず。2025年。今江君のさらなる飛躍に期待したい。(竹内 達朗)

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