【箱根駅伝】「山の名探偵としてここに来ている」早大5区・工藤慎作が区間2位の好走 コナンポーズでフィニッシュ
スポーツ報知 / 2025年1月3日 5時20分
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ)
14年ぶり優勝を狙う早大は5区の工藤慎作(2年)が区間2位の好走を見せ、7年ぶりに3位で折り返す。
真実はいつもひとつ―。工藤は左手の親指と人さし指を前方に向ける、コナンの決めポーズで往路3位のゴールテープを切った。1時間9分31秒は想定よりも速く、区間2位の好タイム。「堅実に自分の走りだけできたらと思っていた。その中で想像以上の走りができたのは収穫。100点満点」と大きな手応えを口にした。
1年生だった100回大会も5区を走り、6位と健闘。それでも中盤以降の高低差の激しい坂に対応できなかったと、1年間悔しさを抱えてきた。ライバルたちが山に特化した練習を積む中、平地での走力を上げた。これが箱根の山上りにも通じ、「小涌園から芦之湯の数キロ間のラップで失速を抑えられた。アドバンテージを取りにいくくらいになれた」と振り返った。花田勝彦監督(53)は「去年が終わった時点から、今年の箱根も(5区で)考えていた。1年間かけてしっかりやってくれた」とたたえた。
「名探偵コナン」の主人公・工藤新一と名前が似ており、眼鏡をかけた風ぼうから「山の名探偵」と呼ばれてる。工藤自身も「『山の名探偵』としてここに来ている」と役割を理解し、3人抜きを達成した。愛称については「皆さんに今日の沿道でも『山の名探偵』とすごい言ってもらった。これ以上ない、自分にあったもの」と今やお気に入りだ。
2年連続山上りを任され、結果を残した。「来年度挑戦することがあれば、十分に目指していけるタイム」と、5区区間新へ自信をのぞかせた。さらに視線は2028年のロス五輪を視野に入れる。「箱根駅伝は自分の中でのゴールではない。五輪のマラソンで出場することを意識して練習している。積極的に在学中にチャレンジしていきたい」。先を見据えた走りで、名門復活へと押し上げた。(富張 萌黄)
◆工藤 慎作(くどう・しんさく)2004年11月10日、千葉・船橋市生まれ。20歳。八千代松陰高時代の21、22年に5000メートルでインターハイ出場。23年、早大スポーツ科学部入学。1年時は出雲駅伝4区9位、全日本大学駅伝4区13位。箱根駅伝5区6位。自己ベストは1万メートル28分31秒87。5000メートル13分56秒60。ハーフマラソン1時間2分29秒。168センチ、53キロ。
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