【箱根駅伝】創価大・吉田響、13人抜きの激走「山の神」への憧れ封印し2区を志願「全てを発揮できた」
スポーツ報知 / 2025年1月3日 5時20分
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走往路(2日、東京・千代田区大手町読売新聞社前スタート~神奈川・箱根町芦ノ湖ゴール=5区間107・5キロ)
“花の2区”で3人が区間新記録をマークした。創価大の吉田響(4年)は13人抜きと激走。2020年大会で1時間5分57秒の日本人歴代最速記録を出した東洋大の相沢晃(4年、現旭化成)を抜く、1時間5分43秒で区間2位となった。東京国際大のリチャード・エティーリ(2年)も12人抜きし、1時間5分31秒で区間トップ。青学大の黒田朝日(3年)は1時間5分44秒の区間3位で、いずれも21年に東京国際大のケニア人留学生Y・ヴィンセント(2年、現ホンダ)が樹立した1時間5分49秒を上回った。
吉田響は自身の夢を胸の奥にしまい、必死にチームの夢を追った。17位で受けたタスキ。中盤まで焦らず自分のペースを貫いた。勝負と決めた残り8キロ。5区の経験を生かし、権太坂やラスト3キロの上り坂で次々と前の選手を捉え「モチベーションになって、きつくなってもさらに元気になって走れた」と加速。歴代6位タイの13人抜き。区間賞のエティーリには12秒及ばなかったが、従来の区間記録を上回り「自分が今出せる全てを発揮できた」と胸を張った。
“山の神”に憧れ、夢を公言してきた。東海大1年時の22年箱根駅伝。5区で8人ごぼう抜きの区間2位と鮮烈デビューを飾った。だが、チームとの競技に対する考え方のずれに苦しみ、2年時はメンバー外。創価大の編入試験を受け、主力級の学生ランナーでは異例の“転校”に踏み切った。新天地で迎えた3年時は5区で区間9位。4年時も「今年こそ山の神に絶対なる」と5区を想定した練習に徹底的に取り組んできたが、11月の全日本後、2区を志願した。
吉田響は最後の箱根路を走り終え、押し殺していた本音をこぼした。「山の神になれなかったことはすごい悔しい。表には出してなかったけど、葛藤はあった」。それでもチーム目標の総合Vを最優先に考え、2区を願い出たエースの決断が往路5位につながった。榎木和貴監督(50)も「響のチーム愛を感じた。それにみんなが応えなきゃいけないという思いで一つになった」とたたえた。
環境を変えた選択が吉田響の心境を変えた。「創価大に入ったからこそ山に固執せず、チームの大きな目標をかなえたいと思った。それをみんなと一緒にできたのは本当に幸せなことだった」。紆余(うよ)曲折の大学生活。最後の選択に後悔はなかった。(林 直史)
◆吉田 響(よしだ・ひびき)2002年8月20日、静岡・御殿場市生まれ。22歳。原里中、東海大静岡翔洋高から21年に東海大に入学し、1年時に箱根駅伝5区で2位、2年時はメンバー外。23年4月に創価大に編入し、出雲5区区間賞相当、全日本5区区間賞で区間新記録。4年時は出雲2区区間賞、全日本2区2位。自己ベストは5000メートルが13分39秒94、1万メートルが28分12秒01。161センチ、46キロ。
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