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紅白視聴率ワースト回避、お茶の間引きつけた「原点回帰」のライブ感…第2部は32・7%

スポーツ報知 / 2025年1月3日 6時15分

紅白歌合戦のフィナーレで、蛍の光を歌う紅白出演者ら(カメラ・小泉 洋樹)

 昨年の大みそかに放送された「第75回NHK紅白歌合戦」の関東地区の平均世帯視聴率が、第1部(後7時20分~同8時55分)で29・0%、第2部(後9時~同11時45分)で32・7%だったことが2日、ビデオリサーチの調べで分かった。23年の平均世帯視聴率は第1部で29・0%、第2部が31・9%で、2部制となった1989年以降でワーストの記録だった。24年の紅白は、第1部こそ2年連続30%を割ったが、第2部は前年を0・8ポイント上回った。

 * * *

 ビデオリサーチによると、世帯視聴率1%あたりの視聴世帯数は19.7万世帯とされる。見逃し配信が隆盛を極め、かつてのように「一家そろって茶の間で紅白」という概念が形骸化する中で、前年より世帯の数字を上げるのは大変なこと。歴代ワーストだった前年のプレッシャーを抱えながら制作にあたったNHKの関係者もホッと一息だろう。

 演出面で見れば、選曲やキャスティングもさることながら、大事にされていたのは「ライブ感」。会場のNHKホールを拠点に、生っぽさの追求に尽力していた。もちろん中継や事前収録もあったが、そのパフォーマンスには意味を込めていたし、番組の核となる部分では、必ずホールに帰結するよう構成されていた。

 かつて日本テレビ系「24時間テレビ」に初回から出演する徳光和夫さんに1978年の番組スタート時の感想を聞いた時のことを思い出す。「次に何が起こるのか、という期待感が熱狂となって返ってきた。『生はテレビを救う』というのが実感でした」。視聴者にパフォーマンスを届けることに徹した“原点回帰”のライブ感。多様な選択肢がある今だからこそ、生に視聴者は引きつけられる。

(放送担当キャップ・宮路美穂)

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