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中村隼人主演、新作歌舞伎「大富豪同心」は「ほんわかした雰囲気。ずっとニコニコして見ていられる作品」

スポーツ報知 / 2025年1月3日 0時58分

「大富豪同心」の中村隼人(左)と中村壱太郎(C)松竹

 歌舞伎俳優の中村隼人が主演するNHK BS時代劇「大富豪同心」が歌舞伎化され、2日に東京・歌舞伎座「壽 初春大歌舞伎」(26日千秋楽)で初日を迎えた。上演が発表されて以来、心待ちにしていたが、見事に期待に応える満足度だった。

 隼人が豪商の孫で、はんなりとした主人公・八巻卯之吉と、将軍の弟で卯之吉と顔が瓜二つの幸千代の2役を演じる。スポーツ報知のインタビューでは「殺伐とした物語じゃなく、癒やされる、ほんわかした雰囲気。ずっとニコニコして見ていられる作品を目指したい」と語っていたが、目標は達成されたと思う。その証拠に終演直後、前列に座る女性2人組が「めちゃくちゃ面白かった!」と絶賛していた。

 卯之吉の身の回りの世話をする太鼓持ちの銀八を尾上右近が演じる。先月、新橋演舞場で上演した歌舞伎NEXT「朧の森に棲む森」で演じたキンタと似た役どころ。宴会の場面で踊ったり、右近ならではの天性の明るさが発揮されていて、はまり役だ。序盤に卯之吉が「大富豪同心」と呼ばれるようになった理由を銀八が語るので、ドラマを見ていなくても楽しめる。

 ドラマを見ていたら、より一層、楽しめる。ドラマで新川優愛が演じたヒロインの美鈴を中村壱太郎が、竜雷太が演じた卯之吉の祖父・徳右衛門を中村鴈治郎が勤める。個人的に一番、気になっていた立ち回りの気絶シーンは、趣向を凝らした演出で「なるほど」と納得させられた。シリアスな場面もありながら、全体的に和やかな、癒やし系の空気感が魅力だ。

 刺客の清少将役の坂東巳之助、将軍・徳川家政役の坂東新悟、幸千代の許嫁(いいなずけ)の真琴姫役の中村米吉ら、隼人と同世代が中心的な役割を担う。演出に初挑戦した松本幸四郎は侠客の荒海ノ三右衛門役で男らしい魅力を発揮。さらに芸達者な澤瀉屋の市川中車、市川笑也、市川猿弥、市川笑三郎、市川青虎らが脇を固める盤石の座組だ。エンディングのダンスでは、場内が一体となって盛り上がる。ぜひ、シリーズ化して今後も楽しませてほしい。(歌舞伎担当・有野 博幸)

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