【箱根駅伝】東洋大、歴史つなぐ20年連続シード権…15キロ超の4校大激戦耐え抜いたアンカー薄根大河「恐怖心との闘い」
スポーツ報知 / 2025年1月4日 5時20分
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)
上位10校に与えられるシード権は最終10区まで大混戦だった。終盤まで8位から11位の4チームが並走。9位に滑り込んだ東洋大は2年生アンカーの薄根大河が力走し、継続中では最長となる20年連続シード権獲得に貢献。往路で4年生エース2人が欠場した危機を、チームで乗り越えた。
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鉄紺の歴史を何とかつないだ。東洋大は10時間54分56秒の9位でフィニッシュ。継続中では最長となる20年連続のシード権獲得を決めた。重責の10区で粘った薄根はゴール後、酒井俊幸監督(48)を前に「ありがとうございます」と声を振り絞ってうれし泣き。指揮官は「(シードを)取ったんだから泣く必要ないだろ。でも怖かったな。よく、頑張ったな」と言葉を返し、薄根の肩を優しくたたいた。
圏内8位でタスキを受けた2年生。だが、後続の4チームとの差は40秒もなかった。5キロ過ぎに帝京大、順大、東京国際大との“四つどもえ”。「恐怖心との闘い。ずっと、怖かった」。こぼれた1人だけがシード落ちとなる極限状態。15キロ以上も我慢し、最後は死力を尽くしてトップ10の座を守った。「4年生が待っていると思って絞り出せた。本当にホッとした」。大手町で待つ上級生への思いだけで競り合いに勝った。
2日の往路では、エース格の石田洸介、梅崎蓮主将(ともに4年)が不調のため当日変更。アクシデントをチーム力で乗り越え、9位で復路にタスキリレー。薄根は「つないで来てくれたものを、守りきらなくちゃダメだ」と奮起。レースを控え、手袋には「4年生のために」と書いていた。
スタート直前まで薄根に付き添ってサポートした梅崎主将も、その手袋に自分の名前を記して「勝ってこいよ」と送り出した。
最後は下級生が東洋大の魂を受け継いだ。梅崎主将も「しっかり、自分の分まで走ってくれた」と後輩をねぎらった。次回大会で目指すはシード争いの先だ。「来年は(今年)走ったメンバーも残っている。東洋の定位置と言われた3位以内、そして優勝を目指して頑張りたい」と薄根。強豪の完全復活は近い。(大谷 翔太)
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