【箱根駅伝】3冠逃すも「3強」の意地!国学院大が3位…アンカー吉田蔵之介が早大との駆け引き制す
スポーツ報知 / 2025年1月4日 5時15分
◇第101回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)
出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し、史上6校目の3冠を懸けて挑んだ国学院大は、10時間50分47秒で20年大会に並ぶ過去最高の総合3位だった。青学大、駒大との「3強」の一角として注目されるも往路は6位。復路では7区でタスキが落ちるハプニングがありながら、最終10区で人気音楽グループ「ケツメイシ」のリーダー・大蔵を父に持つ吉田蔵之介(2年)が早大との駆け引きを制し「3強」の意地を見せてフィニッシュした。
同じ最高順位でも価値が違う。国学院大のうれしかった3位は5年後、悔しさに変わった。昨年、初マラソンで日本最高&日本学生新記録を出した平林清澄(4年)中心の史上最強メンバーも、箱根はやはりひと味違う。優勝とは9分28秒差の3位。前田康弘監督(46)は「5年前は大喜びで胴上げしてもらいましたから。本気で優勝を狙い、これだけの差。私も勉強不足で力不足」と結果を受け止めた。
「3強」として迎えた大会。6位から逆襲を狙う復路は、序盤7区でアクシデント発生。8区につなぐ直前で辻原輝(2年)の手からタスキがこぼれ落ちた。急いで取りに戻るも「あれがなければ15秒速く走れていた。悔しい」。それでも区間2位タイ。辻原の執念に応えるように、後続が順位を徐々に上げた。
9区から10区は、3位争いで早大と同時リレー。運命の23キロは「ケツメイシ」大蔵の息子・吉田に託された。17キロ過ぎ、並走していた早大・菅野雄太(4年)の動きが「崩れた」と見るや一気に前へ。けがで苦しんできた吉田は、父からの「そっちの方が絶対きつかった。楽しんでこい」という激励で力走。だが、「3強ではまだないのかなと感じた」。名曲「夏の思い出」ならぬ、今回も「苦い冬の思い出」となった。
「3冠」に挑戦できたことは紛れもない成長の証し。けん引し続けてきたエースで主将の平林は「復路メンバーは魂込めた走りを見せてくれた。最後の最後まで、助けられっぱなしの一年」と仲間に感謝。指揮官は「新生・国学院を作っていきたい」と誓った。近くて遠い箱根の頂点。悔しさを糧にここから再出発する。(小林 玲花)
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