【高校ラグビー】桐蔭学園SO丹羽雄丸が11得点&絶妙キック「大阪桐蔭だけには負けたくないっていう気持ちでした」
スポーツ報知 / 2025年1月4日 6時0分
◆全国高校ラグビー▽準々決勝 桐蔭学園26―14大阪桐蔭(3日・花園)
準々決勝4試合が行われ、2連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)が、昨春の全国選抜大会覇者・大阪桐蔭(大阪第1)とのAシード対決で14点差から26―14と逆転勝ちした。SO丹羽雄丸(たける、3年)が1トライ3Gの11得点と、キックパスで2トライ演出の大活躍。2大会連続の4強入りへけん引した。抽選の結果、5日の準決勝は国学院栃木―桐蔭学園、東海大大阪仰星(大阪第2)―常翔学園(大阪第3)となった。
桐蔭学園の司令塔・丹羽が、自身の出身地・大阪で“西の桐蔭”を手玉に取った。後半4分。自らカットインしてトライ(G)を挙げて14―14の同点に。そして同7分。敵陣22メートルライン手前のラックから右へ展開されたボールを受けると、右の大外でWTB草薙拓海がフリーだと確認。弧を描くキックパスを送り、背番号14の勝ち越しトライを呼んだ。さらに同16分には相手防御裏のインゴールに転がして味方のトライを演出。ドンピシャリの好判断がさえまくり「自分が出たら絶対に勝ってやる。大阪桐蔭だけには負けたくないっていう気持ちでした」と胸を張った。
大阪桐蔭を昨冬の前回大会準決勝に続いて返り討ち。今春の全国選抜大会(熊谷)の準決勝で7―13と敗れたリベンジも果たした。背番号10は「大阪桐蔭FWは絶対タテが強いんで、ヨコの動きを狙っていくことを意識した」。前半キックオフ直後には自分のキックチャージから先制トライを奪われる痛恨も結果オーライだ。藤原秀之監督(56)は「途中から丹羽のゲームメイクもだいぶ良くなりました。普段やらかしが続くんですが」と苦笑いした。
丹羽は大阪出身。「(府内の優秀な中学生ラガーが)みんな集まる大阪桐蔭には行きたくなかった。桐蔭学園の継続ラグビーにあこがれて」と桐蔭学園のある横浜へ。一昨年11月、花園を控えた練習試合で左足の前十字じん帯と半月板を損傷。ベンチ入りできず、ラグビーをやめたいほどの挫折感を味わったが、チームメートの励ましや家族の電話で思いとどまった。復帰できたのは昨年6月だった。
大阪桐蔭SH川端隆馬とは大阪・東生野中でハーフ団を組んだ仲。試合後、川端から「優勝しろよ」と声をかけられ「ありがとう」と返した。19、20年度以来、チーム2度目の花園連覇へ、さえわたるラグビーセンスで引っ張る。(田村 龍一)
◆丹羽 雄丸(にわ・たける)2006年10月1日、大阪市生野区生まれ。18歳。小学2年から地元の生野ラグビースクールで競技を始め、東生野中時代は大阪府中学選抜メンバー。桐蔭学園では今冬が自身初の花園出場。ポジションはSO、FB。関西大学Aリーグの同大に進学予定。家族は両親と兄3人。次兄・匠さんは元長野所属のプロサッカー選手。173センチ、72キロ。
◆桐蔭学園 1964年創立の私立共学校。ラグビー部も同年創部で現部員は94人(女子12人)。花園は96年度大会初出場。以来、優勝4度、準優勝5度。主な同校OBに松島幸太朗(東京SG、ラグビー日本代表)、高橋由伸氏(元巨人監督)、織田裕二(俳優)ら。野球部、サッカー部も全国レベル。所在地は横浜市青葉区。
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