【巨人】ドラ1・石塚裕惺、目指せ“令和のミスター” 長嶋茂雄記念岩名球場からプロ1年目本格スタート
スポーツ報知 / 2025年1月4日 5時0分
巨人のドラフト1位・石塚裕惺(ゆうせい)内野手(18)=花咲徳栄=が“令和のミスター”を目指す。3日、千葉・佐倉市の長嶋茂雄記念岩名球場で自主トレを公開。同市出身の長嶋茂雄終身名誉監督(88)=報知新聞社客員=ゆかりの地で汗を流し、ミスターのようにファンを魅了するスター選手への成長を誓った。大型遊撃手としての期待がかかる金の卵は、ソフトバンク・近藤モデルの新バットを携えてプロの世界に飛び込む。
熱い意志が込められた打球が、冷たい雨を切り裂いた。石塚がフリー打撃で響かせた快音が、決意の表れだ。長嶋さんが国民栄誉賞、佐倉市市民栄誉賞を受賞したことで13年に「長嶋茂雄記念岩名球場」と名称変更された場所で本格始動。約2時間、汗を流した。「ミスタージャイアンツの長嶋茂雄さんの生まれ育った地にある素晴らしい球場でいい練習ができた。(長嶋さんは)記念球場ができるぐらい素晴らしい成績を残された方。ミスターに近づけるように頑張りたい」。同じ千葉県出身の長嶋さんのような偉大な選手を目指す。
石塚にとっても原点といえる場所だ。出身は千葉・八千代市で、中学時代は佐倉シニアに所属。練習や試合で同球場を使用した。「練習でエラーばかりして怒られた記憶と、大会で2試合で3本ぐらいホームランを打てたいい思い出もあります」。自主トレ後には球場内にある長嶋さんの展示室を初見学。写真や新聞記事などを食い入るように見つめ、レジェンドの足跡を目に焼き付けた。「(長嶋さんは)日本プロ野球界のスーパースターで、誰もが憧れる華がある選手。そういう観客を魅了できるような選手になれれば」と気持ちを新たにした。
球界屈指のヒットメーカーの“相棒”を携えて、プロ生活を始める。新たな舞台に向けて新調したバットはソフトバンクの近藤モデル。「(近藤さんは)率も残せてホームランも打てるようなバッター。自分が目指すような選手像です」。重さは約890グラムで、バットの先端をくりぬいて振り抜きやすくしてある。「重くもなく、軽すぎもしない。振りやすくて、合ってると思う」。自主トレ用は、色も「ジャイアンツカラーを意識して」とオレンジをチョイス。父・康直さん(49)や弟・太惺さん(15)がトスした球などを打ち返し、感触を確かめた。
年末年始は体を動かしつつ、一家団らんの時間を過ごした。「こたつに入りながら、いろいろな話ができました」と笑顔。今後は入寮し、新人合同自主トレに臨む。「1年目からチャンスをもらえるように、どんどんアピールしていきたい。早く東京ドームでプレーできるようにやりたい」。ドラ1がミスターゆかりの地から、スター街道の一歩目を踏み出した。(宮内 孝太)
◆長嶋茂雄記念岩名球場 巨人・長嶋茂雄終身名誉監督の国民栄誉賞受賞、故郷の千葉・佐倉市の市民栄誉賞受賞を記念し、13年7月に同市の「岩名球場」が名称変更。同球場で行われた市民栄誉賞表彰式には地元関係者、ファンら3100人が集まり、ミスター本人が駆けつけ、オープンカーで場内一周した。一部改修してイースタン・リーグ公式戦で使用されている。
◆近年の巨人ドラフト1位野手の1年目の始動
▽坂本勇人(07年)1月5日に入寮。年末に兵庫・伊丹の実家に帰省中に楽天・田中と偶然会い「頑張ろう」と誓い合ったと明かす。
▽大田泰示(09年)1月2日に故郷の広島・福山で。中学時代に所属した「松永ヤンキース」グラウンドでロングティー打撃など。
▽長野久義(10年)1月4日に埼玉・川越のホンダグラウンドで。「一への執着」をスローガンに掲げ午前11時11分11秒に動き出す。
▽小林誠司(14年)1月2日に大阪・吹田の日本生命グラウンドで本格始動。年末年始も無休だったと明かし約3時間の猛練習。
▽岡本和真(15年)1月4日に奈良・智弁学園で自主トレ公開。「年越しの瞬間に素振りをしていた」と仕上がりの良さを披露。
▽浅野翔吾(23年)1月4日に香川・高松商で。大谷翔平(ドジャース)と同様にゴミ拾いをルーチンとしていると明かす。
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